2020年11月21日(土)~11月29日(日)まで、東京都多摩市内の2会場で「第30回TAMA CINEMA FORUM」が開催。
最終日となる11月29日には府中市の「どりーむホール(府中の森芸術劇場)」にて「第12回TAMA映画賞授賞式」が開催され、福山雅治さん、濱田岳さん、水川あさみさん、森七菜さん、岩井俊二監督ら、今年活躍した映画キャスト、スタッフが登壇しました。
福山雅治さん(最優秀男優賞)
『ラストレター』『マチネの終わりに』ほかに出演し、最優秀男優賞を受賞した福山雅治さんは、「こういった賞をいただくのは久しぶりになりました。嬉しいです。(トロフィーを)実際に手渡されるとこんなに重いんですね。この重みを感じながら早速今夜、晩酌するのを楽しみにしています」と会場の笑いを誘いつつ受賞の挨拶。
映画『ラストレター』では、福山さん演じる乙坂鏡史郎の10代の頃を神木隆之介さんが演じたことでも話題になりました。「神木くんと僕とでいただけた賞だと思いますので、神木くんにもなにか奢ります。ありがとう神木くん!」とにこやかに話しました。
神木さんとの役作りについて尋ねられると「彼は技術力が高い俳優なので、むしろ彼の方から『こういうアプローチどうですか?』というようなプレゼンを受けたり、僕が目の下にほくろがあって特徴のひとつになっているので『ほくろ足してもいいですか?』と相談されたりもして、神木くんの方から緻密な役作りを提案してくれて、僕はそれに乗っかって演じさせていただきました」と撮影時の秘話を明かしました。
今年、音楽デビュー30周年を迎えた福山さん。
今後の映画についての抱負を聞かれると「お呼びいただける作品をずっと待っております。監督さん、プロデューサーさん、映画ファンの方が多い『TAMA映画賞』ですから、これからどんな役でも頑張って演じていきたいと思いますので、お仕事を事務所に問い合わせていただければ。今後も貪欲に仕事をしていきたいと思います」と終始、会場の笑いを誘いながらの受賞挨拶となりました。
森七菜さん(最優秀新進女優賞)
最優秀新進女優賞を受賞したのは、『ラストレター』『青くて痛くて脆い』『地獄少女』『最初の晩餐』に出演した森七菜さん。
白いフリルが華やかなワンピースで登場すると「この度はこの栄えある賞をいただいて本当に嬉しく思います」と少し緊張気味に受賞挨拶をしました。
映画『ラストレター』では、主人公・未咲の妹、裕里の少女時代と裕里の娘、颯香の二役を演じた森さん。
演じる上での難しさを聞かれると「はじめての二役で難しさはありました。でも、裕里(松たか子さん)を真似るようなこともしながら演じてたので、意識していく部分もありつつ、気持ちで動きたいなところもありながらだったので、少し難しかったです」とコメント。
岩井俊二監督は「経験豊富なキャストに囲まれてもアドリブできるほど余裕があってすごい」と驚いたそう。「一番最初にアドリブを入れたら、意外と怒られなかったので、自分から提案できればいいなと思って(笑)」とにこやかに話す場面も。
最後に森さんは「今年は映画やCMで皆さんに知ってもらうことが多かった1年でした。急に出てきて『?』と思われた方も多かったと思います。来年はその『?』を、ビックリマーク『!』にしてもらえるような1年にしたいと思います」と今後の抱負を語りました。
最優秀作品賞『ラストレター』(岩井俊二監督、及びスタッフ・キャスト一同)
『ラストレター』で最優秀作品賞を受賞した岩井俊二監督は「撮影はおととしの7月、8月に宮城県の仙台で、とてつもない暑さと、熱中症と戦いながらでしたが、映画を観るとその暑さを感じない涼やかな仕上がりになったなあと思いつつ、この受賞を噛み締めてます」と受賞挨拶。
その後『ラストレター』に出演した、福山雅治さん、森七菜さんを交えたクロストークになり、現場の雰囲気を聞かれると福山さんは「みんなが岩井監督の映画を愛しているチームだったんじゃないかと思いまして、岩井監督が撮りたいものに対して、ほんとに監督にイメージしているものにどれだけ近づくことができるかに対して、全員がそこに向かっていたので、非常に集中力の高い、ブレのない現場だったと思います」と撮影時の現場の雰囲気を振り返りました。
岩井監督から「子リスのような、カゴから出すとピューッとどこいくか分かんないような感じ」と評された森七菜さんは、そうそうたるキャスト陣の中「プレッシャーは感じました(笑)私はオーディションで選ばれたんですが、その何十分かで重大な役を決めてしまったと思われているんじゃないかと思ったので、いい映画にしたいなと思いました」とコメント。
最後に岩井監督は「この映画を作るために『未咲』という小説を、230ページの長編で書きました。僕の中では『ラストレター』と『未咲』という2つの物語が1つになって完結する「超大河青春ロマン劇」みたいな感じなので、ぜひ完成を目指して頑張りたい」と語りつつ、「今年はコロナになって、いろんな劇場や映画祭など、多くの映画を愛する人達にコロナは容赦なく襲いかかった現実もあって、自分たちがこれまでやって来れたことに幸せを噛み締めつつ、なにか恩返しできる場面も考えながら日々過ごしています。しばらくコロナも続くと思うんですが、ファンの皆さんに支えていただきながら、お互いに絆を紡ぎながら、なにか作っていければと思います」と今後の映画製作についての抱負を語りました。
第12回TAMA映画賞受賞作品・受賞者はこちら!
最優秀作品賞
- 『海辺の映画館-キネマの玉手箱』(大林宣彦監督、及びスタッフ・キャスト一同)
- 『ラストレター』(岩井俊二監督、及びスタッフ・キャスト一同)
特別賞
- 城定秀夫監督、及びスタッフ・キャスト一同 『アルプススタンドのはしの方』
- 岩井澤健治監督、及びスタッフ・キャスト一同 『音楽』
最優秀男優賞
- 福山雅治『ラストレター』『マチネの終わりに』
- 濱田岳『喜劇 愛妻物語』『グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇』『コンフィデンスマンJPプリンセス編』ほか
最優秀女優賞
- 水川あさみ『喜劇 愛妻物語』『グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇』『ミッドナイトスワン』
- 長澤まさみ『MOTHER マザー』『コンフィデンスマンJPプリンセス編』
最優秀新進男優賞
- 宮沢氷魚『his』
- 北村匠海『サヨナラまでの30分』『思い、思われ、ふり、ふられ』『影踏み』ほか
最優秀新進女優賞
- 松本穂香『君が世界のはじまり』『わたしは光をにぎっている』『酔うと化け物になる父がつらい』『his』ほか
- 森七菜『ラストレター』『青くて痛くて脆い』『地獄少女』『最初の晩餐』
最優秀新進監督賞
- HIKARI監督『37セカンズ』
- ふくだももこ監督『君が世界のはじまり』
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