元南極観測隊員が語る「南極観測の世界」とは?9月にはワークショップが開催



企画展「空が見えれば、どこでもつながる 南極観測の世界展」

多摩市にあるKDDI株式会社の複合型研修宿泊施設「LINK FOREST(リンクフォレスト)」2階の「KDDI MUSEUM」にて、2024年11月1日(金)まで開催中の企画展「空が見えれば、どこでもつながる 南極観測の世界展」。

8月24日(土)に開催されるKDDI MUSEUMの無料見学日(※予約制)の特別イベント「元南極地域観測隊員による企画展の解説」に先駆けて、メディア向けの取材会が行われました。

9月28日(土)と29日(日)には、南極をテーマにSDGsや地球の未来について考える事前予約制の親子向けワークショップ「KDDI南極アカデミー」が開催されます。

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企画展「空が見えれば、どこでもつながる 南極観測の世界展」が開催中

企画展「空が見えれば、どこでもつながる 南極観測の世界展」が開催中

KDDI MUSEUMの入口前にて企画展「空が見えれば、どこでもつながる 南極観測の世界展」が開催中です。

KDDI(前身企業の国際電信電話株式会社(KDD)を含む)は1956年に第1次南極地域観測隊が派遣されて以来、南極観測への協力を続け、短波無線、インマルサット衛星、インテルサット衛星で南極と世界をつなぎ続けてきました。2004年(第45次南極地域観測隊)以降は、毎年社員1名が極地研に出向し、観測隊員として昭和基地でインテルサット地球局の保守、LAN設備の構築・保守を行っています。

企画展「空が見えれば、どこでもつながる 南極観測の世界展」が開催中

展示会では、南極地域観測隊が1年以上にわたって行っている活動や生活の様子が、時系列で展示されています。

元南極地域観測隊員が解説

中村 映文さん(写真左)と三井 俊平さん(写真右)
元南極地域観測隊員の中村 映文さんと三井 俊平さん

この日は、第63次南極地域観測隊員の三井 俊平さん(写真右)と、第64次南極地域観測隊員の中村 映文さん(写真左)が南極での仕事や生活について解説していただきました。

お二人はKDDIの社内公募を通過して国立極地研究所に出向。座学や様々な実技訓練を経て南極地域観測隊の越冬隊に参加し、観測隊のLAN・インテルサット担当として観測活動に従事しました。

南極地域観測隊は毎年11月に南極観測船「しらせ」で日本を出港し、途中にオーストラリアで物資を補給し、約40日間かけて南極大陸の昭和基地に向かうそうです。

南極近くの暴風圏に入ると風が強くなり、船が大きく傾くそうです。2001年には最大で左に53度傾いたことがあったそうで、展示では30度の傾きを体感できる傾斜がありました。

南極大陸に近づくと氷山があらわれ、次第に流氷を砕きながら進みます。氷が厚くて割れない場合は「ラミング航法」といって、一度バックして勢いをつけて少しずつ進むそうです。

そうしてクリスマス前頃に昭和基地近くまで到着した「しらせ」から、ヘリコプターで物資を輸送します。

持ち物はダンボールで1人10箱まで
持ち物はダンボールで1人10箱まで

KDDI MUSEUM内にはプロジェクションマッピングと映像で見られる昭和基地の様子が楽しめます。

昭和基地には「衛星通信アンテナ」などの通信機器があり、三井さんと中村さんはアンテナに潤滑油を塗ったりと通信機器が途絶えないよう日々作業をしていたそうです。

ブリザードになると風速30メートルの猛吹雪が起こるそうです。通常は外出禁止で室内で過ごすそうですが、通信機器が不調の場合は防寒具と命綱をつけて2人1組で現場に向かうこともあったそうです。まさに命がけの任務ですね。

昭和基地からは壮大なオーロラも観測できるそうです。きっとすごい光景でしょうね!

約500日の任務を終えると、翌年の越冬隊に引き継ぎをして、3月に日本に帰国するそうです。

南極での生活や仕事について話す中村さんと三井さん。以前は日本との通信手段が少なかったですが、今はインターネットが普及したおかげで、日本の家族と簡単に連絡が取れるようになりました。このことが、越冬隊員たちの精神的な健康を大きく支えているそうです。

中村さんは「自分の経験を子どもたちに伝え、南極や科学に興味を持ってもらいたいです」と語りました。三井さんは「いろんな景色を見たり、貴重な体験ができるので、もし機会があればもう一度南極に行きたいですね」と話していました。

他にも南極ならではの苦労話や仕事での工夫のお話など、なかなか聞けない貴重なお話がたくさん聞けました。

8月24日(土)は、中村さん、三井さんのほか、元南極地域観測隊員の方が展示の解説をしてくださるそうです。(※8/24(土)は入場料無料で見学可能・予約制)

9/28(土)・29(日)には「KDDI南極アカデミー」が開催

さらに9月28日(土)と29日(日)には、南極をテーマにSDGsや地球の未来について考える親子向けワークショップ「KDDI南極アカデミー」が開催されます。

イベント当日も元南極地域観測隊員の中村さんと三井さんのお話のほか、極地研とKDDI総合研究所の共同開発による衛生通信回線を用いた「8K映像ライブ中継」の実証実験で、現地の観測隊員との交流体験も行われる予定です。

定員は、子どもとその保護者計60組(各日30組)。参加は下記サイトより予約登録が必要です。(※定員になり次第、予約受付は終了)

KDDI南極アカデミー&KDDI MUSEUM無料見学会 | KDDI MUSEUM | KDDI株式会社

「KDDI南極アカデミー」について

開催日時:2024年9月28日(土)15:00~17:30、9月29日(日)14:00~16:30
対象者:子どもとその保護者計60組(各日30組)
※1組あたり保護者2名まで同伴が可能です。
※推奨学年:小学5年生~中学3年生。推奨学年以外の子どもも参加いただけます。
場所:LINK FOREST 3階 研修室
(所在地:東京都多摩市鶴牧3丁目5番地3)
参加費:無料

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多摩ポン編集部
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