
日野市にある庭園「京王百草園」内の歴史的建築「松連庵(しょうれんあん)」が、国の登録有形文化財として登録される見込みです。
2026年3月26日に開催された文化庁の審議会にて登録が答申され、今後、官報告示を経て正式に登録される予定です。
江戸時代の暮らしを今に伝える「松連庵」

百草園一帯は、平安時代末期から鎌倉時代にかけて、鎌倉幕府の御願寺とされる真慈悲寺があったと推定される由緒ある地です。中世以降には「松連寺」という寺院が建立され、江戸時代には寿昌院慈岳元長尼(じゅしょういんじがくげんちょうに)が再興しました。
しかし、明治時代に寺は廃寺となります。その後、1887年(明治20年)に地元出身の実業家・青木角蔵がこの地を庭園として整備し、「百草園」として一般公開しました。松連庵は「松連寺」の庫裏(くり)を転用した建物で、明治期に百草園の施設として整備されたものです。

建物の特徴は、当時の上層民家の様式を色濃く残している点にあります。広々とした六間取りの間取りや、格式の高い床の間を備えた和室、土間空間など、江戸末期から明治初期にかけての多摩地域の暮らしぶりを体感できる貴重な空間です。
また、現在でも茅の葺き替えが行われている、日野市内で唯一の茅葺き民家という点も高く評価されています。
今回の登録は、「歴史的景観に寄与している建物」である点が評価されたもの。園内の自然や庭園美と調和しながら、訪れる人に昔の多摩の風景を感じさせてくれる存在として、文化的価値が認められました。
四季折々の自然とともに楽しむ文化財

京王百草園は、約26,000㎡の広大な敷地を誇り、梅の名所として知られるほか、新緑や紅葉など四季折々の風景が楽しめる庭園です。
例年2月〜3月には「梅まつり」が開催されるほか、春の「新緑まつり」、秋の「紅葉まつり」など、季節ごとのイベントも充実。今回の文化財登録により、園内の楽しみ方はさらに広がりそうです。
京王電鉄では今後、松連庵を貴重な文化遺産として発信しながら、京王百草園を訪れる方々に昔の面影を偲ばせる憩いの場を提供する観光資源として活用を図るとしています。
京王百草園
場所:京王百草園(東京都日野市百草560)
営業時間:9:00~17:00(11月・12月は16時30分まで)
定休日:水曜日(祝日の場合は翌日、年末年始:12月30日~1月3日)
入園料:大人500円、小人100円(税込)
※年間パスポート(大人2,000円)も販売中
アクセス:京王線「百草園駅」徒歩10分
(聖蹟桜ヶ丘駅・高幡不動駅からタクシー約10分)
※駐車場・駐輪場はありません。公共交通機関の利用がおすすめです。
※百草園駅から園までの道には急坂があります。
公式サイト













