
多摩ポンのお店訪問シリーズ。
今回は株式会社うかいのご協力のもと、八王子市大和田町にある『とうふ屋うかい 大和田店』を訪れました。
今回のお目当ては、長年親しまれてきた名物「豆水とうふ」が小鍋仕立てに生まれ変わった「豆水とうふコース」と、平日のお昼限定で楽しめる「季節の小鍋ランチ」などを試食してきました。
料理はもちろん、門をくぐった瞬間から始まる非日常の空間、そしてスタッフの皆さんのおもてなしまで、じっくり体験してきた様子を紹介します。
「のれんをくぐれば、そこは江戸。」八王子に広がる日本庭園

JR八王子駅・京王八王子駅から少し離れた大和田町。
大通り沿いを進んでいくと、ひときわ風情のある門構えが見えてきます。
こちらが「とうふ屋うかい 大和田店」です。

「とうふ屋うかい」は、1993年11月に八王子・大和田の地で創業した、うかいグループのとうふ料理店です。現在も大和田店は「とうふ屋うかい」の創業店として営業しています。
株式会社うかいは1964年、八王子・高尾で「うかい鳥山」を創業。
その後、八王子うかい亭などを展開し、1993年に大和田店が誕生しました。2024年12月には創業60周年を迎えています。

「とうふ屋うかい」のコンセプトは、「のれんをくぐれば、そこは江戸。」。
門をくぐると、道路沿いにあることを忘れてしまうような世界が広がります。

約770坪という広い敷地には、江戸の町屋敷を思わせる建物が連なり、中央には日本庭園が広がっています。池には鯉が泳ぎ、その上には朱色の橋。
この橋は記念撮影のスポットにもなっていて、七五三の時期には晴れ着姿のお子さんを連れた家族で賑わうそうです。
さらに庭園を歩いていくと、お稲荷さんも見えてきます。

まるで江戸時代の町に迷い込んだような感覚。
夏はセミの声が聞こえ、風鈴が涼やかな音色を響かせます。

季節が変われば、冬椿や紅葉、松やザクロなど、四季折々の表情を楽しめるそう。
夜には庭の提灯に明かりが灯り、昼間とはまた違った風情を楽しめるといいます。

料理をいただく前から、すでに小旅行に来たような気分になりました。

こちらの「月見の間」は庭園と池の風情を楽しみながら、ゆっくり食事を楽しめる趣のある空間です。

とうふ屋うかいでは、個室やお座敷で四季の風情を感じながら食事を楽しめることも大きな魅力のひとつです。

以前はお座敷のみだったそうですが、現在はテーブルとイスが各部屋に設置されています。
大広間や個室でゆっくり過ごせるため、家族のお祝い事や顔合わせ、お食い初め、七五三など、人生の節目にも利用されています。
庭を眺めながら過ごす、趣の異なる部屋

敷地内には母屋だけでなく、離れや個室、広間などが点在しています。

蔵造りの部屋や庭を望む部屋もあり、同じ敷地内でも部屋によって趣が異なるのも魅力です。

この日は、庭園を望む離れのお部屋を案内していただきました。
大きな窓の向こうには、緑豊かな庭が広がっています。
料理をいただきながら、その景色を眺められるのは、なんとも贅沢なひとときです。
新しくなった「豆水とうふコース」をいただきます!

今回いただいたのは、2026年7月から登場した新しい献立「豆水とうふコース」。価格は1人5,500円~(税込・サービス料別)です。
とうふ屋うかいを代表する名物「豆水とうふ」を中心に、季節の料理を楽しめるコースです。

最初に登場したのは「胡麻とうふ」。
濃厚な味わいで、しっかりとした弾力がありながら、口に入れるとすっと溶けていきます。
胡麻の余韻が心地よく、これから始まるコースへの期待が高まります。

続いては、夏らしい彩りの料理。
上段には沖縄のもずく ジュレ仕立て、名物の生湯葉と雲丹の鼈甲(べっこう)餡、里芋のとうもろこし揚げと枝豆、ヤマモモの蜜煮が並びます。
特に印象的だったのが、ガラスの器に盛られた「生湯葉と雲丹の鼈甲餡」。
生湯葉のなめらかな食感に、雲丹の濃厚な味わいが重なります。見た目にも涼しげで、夏にぴったりの一品でした。

下段には「ニシンとナスの冷し鉢」。
夏の素材を生かした一品で、みょうがと生姜の薬味が爽やかさを添えています。
とうふ屋うかい名物「揚げ田楽」

コースでも楽しみたいのが、とうふ屋うかい名物の「揚げ田楽」。
大きなお揚げ(2枚)を焼き上げ、甘めの田楽味噌とたっぷりのネギをのせています。

焼きたてのお揚げは香ばしく、外側はほどよくパリッと、中はふっくら。
油っこくなく、豆腐そのものの質の高さが伝わってきます。
名物「豆水とうふ」が小鍋仕立てに

そして、いよいよメインの「豆水とうふ」です。
今回のリニューアルで大きく変わったのが、鍋のスタイルです。
長年親しまれてきた名物が、今回の新しい献立では一人ひとりの小鍋で楽しむスタイルに生まれ変わりました。
まずは小鍋で温めた「豆水とうふ」をそのままいただきます。
きめ細やかでなめらかなとうふは、やわらかな舌触り。喉越しもよく、豆腐そのもののやさしい味わいが口いっぱいに広がります。

千切りにした青ネギと、ほどよくカットされたお揚げもついてきます。

「豆水とうふコース」には、小鍋に入れる追加商品(白金豚、車海老、特選牛)が用意されています。

この日は人気の「白金豚(4枚・1,100円)」をいただきました。
とうふとともに豆乳の出汁に白金豚を軽くしゃぶしゃぶしていきます。

豆乳の旨味が豚肉を包み込み、白金豚の柔らかな食感と相まって、さらに味わい深くなりますね。
火にかけているうちに豆乳の出汁も少しずつ表情を変えていきます。弱めの火でふつふつと温めてもいいですし、火を強めていけば、濃度が高まるにつれて生まれる湯葉も楽しみのひとつです。
火加減を調整しながら、自分好みの状態に仕上げていく楽しさがあります。

〆のお食事は「いなり巻き」。ひとくちサイズですが、ここまで結構なボリュームがあるので、ちょうど良いサイズです。

今回の小鍋スタイルのコースは、同店店長の阿部彩さんが考案したもの。
「お客様それぞれのおいしい濃度で楽しんでいただきたい」という思いがあったそうです。スタッフの皆さんは、この新しいスタイルを「育てる鍋」と表現していました。
さらに料理長の武井竜也さんを中心に、これから地域の方の声なども取り入れながら、さらに料理やサービスをブラッシュアップしていくそうです。
豊富なドリンクメニュー

料理と一緒に楽しみたいドリンクメニューも充実しています。

取材時のドリンクメニューには、「みむろ杉 ろまんシリーズ」「而今 特別純米」「飛露喜 特別純米」、八王子酒造の「prototype」など、料理と合わせて楽しみたい銘柄がそろっていました。
日本酒以外にも、ビールや焼酎、梅酒などの果実酒、ウイスキー、ジンなど幅広いラインナップです。
ワインもグラスワインからボトルまで用意されていて、白・赤それぞれに複数の銘柄があります。
さらにシャンパンやスパークリングワインも用意されているので、記念日やお祝いの席にもぴったりです。

この日は、ノンアルコールのホワイトビールとオレンジジュース、ノンアルコールスパークリングワインなどをいただきました。
料理の味を邪魔することなく、食事と一緒に楽しめるのがうれしいですね。
自社工場で作られる「うかい豆腐」

とうふ屋うかいのとうふはどのように作られているのでしょうか。
八王子・大和田は、古文書に「武蔵国・大和田に名水あり」と記された土地で、厳選した国産大豆と職人の技を生かして、こだわりのとうふを作っています。

大豆は主にこちらの4種類を使用しているそうです。(※季節や入荷状況などによって変更される場合があります)
- なかせんなり(長野)
- ふくゆたか(佐賀)
- 音更大袖振(北海道)
- ゆきほまれ(北海道)

とうふ作りは大和田店に併設された工房で、深夜2時から作業が始まるそうです。
4種類の大豆それぞれの個性を見極め、日々の気温や湿度に合わせて配合を調整。料理に合わせて大豆を使い分けるなど、とうふ屋うかいならではのこだわりが感じられます。
もうひとつの新しい味「季節の小鍋ランチ」

続いていただいたのが、「季節の小鍋ランチ」。平日のお昼限定で、価格は4,400円(税込・サービス料別)です。(※「季節の小鍋ランチ」で個室を利用する場合は5名様から)
うかい豆腐と季節の食材を楽しめるランチコースです。平日11:30~14:30のランチタイムに提供されています。

こちらも夏らしい料理がずらり。
二段のお重には、雲丹の鼈甲餡とそうめん、タコのうま煮、だし巻き卵、焼き万願寺、里芋のとうもろこし揚げのほか、


揚げ田楽、胡麻とうふ、ジュレ仕立てのおつゆなどが少しずつ詰まっています。
冷たい料理や夏野菜を取り入れ、見た目にも涼しげ。
少しずついろいろな味を楽しめるので、食べ進めるのも楽しいランチです。
小鍋は「鱧と夏野菜鍋」

メインの小鍋は「鱧と夏野菜鍋」です。
骨切りされた鱧にハスイモやじゅんさい、おとうふなど、夏らしい食材が組み合わされています。

小鍋の中で温めながら、素材の味をじっくり楽しめます。
季節によって小鍋の内容も変わり、秋にはキノコなど、その時期ならではの食材が登場するそうです。
食事はかわいい「手まり寿司」

食事の締めにはかわいらしいサイズの「手まり寿司」が登場。しっかりとした満足感がありました。
夏らしいデザートも充実

そして最後はデザート。季節のグラニテ~夏桃~、珈琲実験室の珈琲ゼリー、豆乳プリンと季節のフルーツ(各550円)などが楽しめます。追加で選べるのもうれしいポイントです。

豆乳プリンと季節のフルーツはカラフルなフルーツがたっぷり。豆乳の濃厚な味わいとともにやさしい甘みが感じられました。

珈琲実験室のコーヒーゼリーは硬すぎず、柔らかすぎないコーヒーゼリー。口の中でとろけます。

季節のグラニテ~夏桃~は、涼し気な器に桃のコンポートと桃のジュースを凍らせたグラニテが楽しめます。器はどれも品のあるものばかりで、味はもちろん目でも楽しめます。
「自分が行きたい店を、自分で創る」うかい創業者の思い

今回、料理と同じくらい印象に残ったのが、スタッフの皆さんのホスピタリティの高さでした。
創業者の鵜飼貞男さんは、「郊外には料理店が少ない。それなら自分が行きたいと思う店を自分で創ろう」という思いから、八王子・奥高尾に「うかい鳥山」を開業したといいます。
料理だけでなく、建物や庭、空間そのものまで含めて、非日常の時間を提供する。そんな「うかい」の考え方につながる原点のひとつです。
現在の株式会社うかいも、「利は人の喜びの陰にあり」を基本理念に掲げ、「100年続く店づくり」を掲げています。時代とともに変えるものと、守り伝えていくものを常に考えながら店を運営しているそうです。

今回の「豆水とうふコース」のリニューアルも、まさにその考え方を感じるものでした。
名物をそのまま残すのではなく、もっと楽しんでもらうにはどうしたらいいか。
料理長や店長、スタッフの皆さんが日々意見を出し合い、お客様に喜んでいただくために、喧々諤々と新しい料理を考えているそうです。
今回、実際にお店を訪れて、その考え方がスタッフの皆さんの接客にもつながっていることを感じました。

帰り際、母屋へ向かうと、お勘定場の横にちょっと気になるものを発見しました。
迫力ある獅子頭。こちらは「金運の獅子」と呼ばれる縁起物です。
獅子の口に財布を噛ませると、お金が増えると言われているそうです。

これは……やってみるしかありませんよね!
ということで、多摩ポン編集部の財布も、さっそく獅子の口へ。
「ガブリッ!」としっかりと財布をくわえてもらいました(笑)。これで金運アップ間違いなし……?
料理や庭園だけでなく、こうした遊び心のある仕掛けが用意されているのも、「とうふ屋うかい 大和田店」の楽しいところ。食事を終えたら、母屋でぜひ探してみてくださいね。
帰りは「お土産処」へ

食事を終えたら、ぜひ立ち寄りたいのがお土産処です。
とうふ屋うかい自慢のとうふや油揚げ、田楽味噌などが販売されています。

この日は油揚げや田楽味噌、吟醸とうふなどを購入してみました。
「吟醸とうふ」は「さとういらず」という、砂糖がいらないほど甘みや旨みが強い大豆だけを使ったとうふです。実際に自宅でいただいてみると、大豆の甘みがそのまま伝わってくるような味わい。何もつけずに食べてみたくなる、おいしいとうふでした。

油揚げには秋田県産大豆「りゅうほう」を使用。揚げるとふっくら膨らみやすいのが特徴です。
店頭では「田楽味噌」も販売しているので、油揚げと合わせれば、自宅でとうふ屋うかい名物の「揚げ田楽」を楽しむこともできます。
お土産処では、くみあげとうふや吟醸とうふ、京がんも、厚揚げなど、自社工場で製造した商品を販売。「公式オンラインショップ」でも一部商品を購入できます。
地域の方の中には、食事ではなくおとうふを買うためだけに訪れる方も多いそう。
商品によっては早い時間に売り切れてしまうこともあるというから、こちらもチェックしておきたいところです。
八王子にいながら、ちょっとした小旅行気分

今回、とうふ屋うかい 大和田店を実際に訪れて感じたのは、「料理を食べに行く」という言葉だけでは、この店の魅力を表現しきれないということでした。
道路沿いにあるにもかかわらず、門をくぐれば静寂に包まれた日本庭園があり、鳥のさえずりやセミの鳴き声、風鈴の音色を楽しみ、緑豊かな庭を眺めながら、丁寧につくられたとうふ料理をいただく。
まるで八王子にいながら小旅行に出かけたような、非日常の時間を過ごせました。
そして、その空間を支えているのが、スタッフの皆さんの丁寧なおもてなしです。
「お客様に楽しんでもらいたい」という思いが、料理にも空間にも、そして接客にも通じているように感じます。
これから秋になると、紅葉が庭園を彩るそう。季節ごとにいろいろな表情が楽しめそうですね。
八王子にいながら、ちょっとした小旅行に出かけたような気分を味わえる「とうふ屋うかい 大和田店」。料理だけでなく、庭園や建物、そしてスタッフの皆さんのおもてなしまで含めて、非日常のひとときを楽しめる一軒です。
取材協力:株式会社うかい
とうふ屋うかい 大和田店 店舗概要
所在地:東京都八王子市大和田町2-18-10
電話:042-656-1028
営業時間:平日 11:30~14:30L.O.|17:00~21:00(19:00 L.O.)、土日祝 11:00~21:00(19:00L.O.)
※お土産処は10:30~20:30まで営業
定休日:月曜日(祝日の場合は営業)、年末年始
専用駐車場:60台
アクセス:JR八王子駅北口・京王八王子駅西口から「日野駅行き」または「豊田駅行き」のバスで約10分、「石川入口」バス停下車すぐ。
※料理内容・価格は変更になる場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。
とうふ屋うかい 大和田店(公式サイト)







