町田市鶴川の指定史跡「旧白洲邸 武相荘(ぶあいそう)」を運営する(株)こうげいは、2023年3月9日に合同の事業説明会を開催。
(株)ポニーキャニオン、(株)ビームスと業務提携契約を締結し、町田市とは観光連携協定を締結。観光地として更なる交流人口の増加に努めることを発表しました。
白洲次郎・正子の旧宅「旧白洲邸 武相荘」について
「旧白洲邸 武相荘」は、GHQとの折衝役など戦後の日本復興に貢献した白洲次郎さん(1902〜1985)と、その妻で随筆家の白洲正子さん(1910〜1998)が終の棲家として暮らした旧宅です。
武蔵国と相模国の境に位置することと、家主の次郎さんがもう一捻りしたい気持ちから”無愛想”にかけて「武相荘」と名付けられました。こちらの旧宅を白洲夫妻の死後に娘の牧野桂子さんが買い取り、2001年10月から一般公開を開始。この22年間で87万8千人以上の人が訪れたそうです。
門の横のガレージには、2009年に放映されたNHKドラマスペシャル『白洲次郎』の撮影時に使用された1916年型のクラシックカー「ペイジ Six-38」が展示されています。
茅葺屋根の母屋と洋風の建物が連なる「武相荘」。「イングリッシュパブ」を設えた「バー&ギャラリー”Play Fast”」には、若かりし頃の白洲次郎・正子夫妻の写真や、GHQのマッカーサーへ贈った椅子のレプリカなどが展示されています。
ミュージアムがある茅葺屋根の母屋へ。
入口入ってすぐのテーブルには、次郎さんが愛した「マッカラン」の瓶なども。正子さんはここで編集者と打ち合わせをしていたそうです。
母屋の北側には正子さんが随筆の執筆時に使用していた書斎が、当時のまま保存されています。
他にも「葬式無用、戒名不用」と記した次郎さんの遺言書(複製)のほか、正子さんが生涯をかけて集めた骨董品の数々が展示。
5月28日(日)までは「『武相荘の春』展 2023」が開催中。
3月31日(金)までは、正子さんの初節句から大切にしてきたお雛様(京都の老舗 丸屋大木平蔵人形店製)が展示されています。
ポニーキャニオンとビームスが武相荘の運営に参画
事業説明会ではポニーキャニオンとビームスの「ディレクターズバンク」が武相荘の運営に参画することが発表されました。
事業説明会に登壇した、白洲次郎・正子夫妻の娘で(株)こうげい代表取締役の牧山桂子さんは「(両企業が)運営に参画してくれて嬉しい。白洲次郎と正子よりも、こうした町田市の原風景がなくなっているので、子供の頃の原風景を残しておきたいと思います」と挨拶しました。
桂子さんの夫で武相荘館長の牧山圭男さんは「近年、年齢や自分たちの体力等、後継者について悩んでいた所で素敵なご縁を頂きました。この2社なら白洲次郎・正子の世界観や価値観や多摩丘陵の自然が豊かに息づくこの場を次世代に継承できると思いました」と話しました。
今後はファンの裾野を広げて、30代や40代の方も訪れることに挑戦し、次世代に継承する歴史資源として、武相荘を基点とした商品開発や、イベントの実施、情報発信を行う「ヘリテージマネジメント」を推進。
第1弾として、イラストレーターのキンシオタニさんや、服飾ジャーナリストの山本晃弘さんのトークセッションなどが5月以降に予定されています。
「武相荘」には以前、訪れたことがあるのですが、ミュージアムに併設されたレストラン&カフェもおすすめです。
ランチタイム(11:00〜16:00 (土日祝は16:30まで))にいただけるは、正子さんの兄がシンガポールに行ったときに友人から教わったという「武相荘 海老カレー」や、
次郎さんが大好きだったという「次郎の親子どん」も絶品です。
ミュージアムの敷地内に広がる竹林や、散策路は歩いているだけで町田の原風景が感じられる心地良いスポットです。
業務提携でもっと多くの人に「武相荘」の魅力が伝わるといいですね!
旧白洲邸 武相荘
所在地:東京都町田市能ヶ谷7-3-2
開館時間:ミュージアム 10:00~17:00(入館は16:30まで)入館料1100円税込
※ミュージアムへの入館は中学生以上
ショップ10:00~17:00
レストラン:カフェランチ11:00 〜 16:00 (土日祝は16:30まで) ディナー完全予約制・開始18:00(終了21:00)
定休日:月曜日(祝日・振替休日は営業)※夏季・冬季休業あり
駐車場:計16台(バスは駐車不可)
旧白洲邸 武相荘(公式サイト)