日医大多摩永山病院の移転・建替え計画の検討が終了。移転・建替えはせず、現在の場所で診療継続へ



日本医科大学多摩永山病院

多摩市は、学校法人日本医科大学(以下:日医大)との間で、永山駅前にある「日本医科大学多摩永山病院(以下:多摩永山病院)」の建物の老朽化対策として協議していた、新病院建設に向けた移転・建替えの検討を終了すると発表しました。

多摩永山病院は移転・建替えをせず、現在の場所で引き続き診療を継続するとしています。

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十数年の協議の末、苦渋の決断

多摩市報道資料より
多摩市報道資料より

多摩永山病院については、多摩ニュータウンの地域医療の基幹病院として1977年(昭和52年)に開院しましたが50年近くが経ち、施設の老朽化や狭隘化への対策として、新病院建設に向けた移転・建替えの協議が2008年(平成20年)から行われてきました。

2019年(平成31年)3月には、永山駅周辺で唯一、総合病院の建設が可能な用地「旧多摩ニュータウン事業本部用地」を保有するUR都市機構と「旧東永山小学校跡地」を保有する多摩市との間で土地交換契約が締結。

同年(令和元年)7月には、「旧多摩ニュータウン事業本部跡地」を移転候補地とし、新病院建設に向けた「確認書」を締結しましたが、その後の新型コロナウイルスの感染拡大により、病院経営が厳しい状況に置かれる中、物価上昇により新病院の建設費が当初見込みの約154億円(2020年12月試算)から、1.8倍の約280億円(2023年12月試算)に膨らみました。

日医大は、新病院の建設費約280億円の半額程度の財政支援のほか、年間の運営費の一部も含めた巨額の財政支援の要望などを含めた「7つの要望事項」を多摩市に要望したものの、多摩市の人口規模(約14万8千人)の自治体の能力を超えた負担があることや、仮に新病院を建設してもその収支を黒字に転換し、経営を長期間継続することは不可能であることから、多摩市内での新病院の移転・建替え計画の検討の終了を判断したとしています。

2024年5月28日に開かれた市長定例会見で阿部 多摩市長は「熟慮の上とは言え、この間十数年に渡って多摩永山病院の支援、そして建替えについてお互いに協議を進めてきたことを考えると、私としても痛恨の極みです。なお、現病院の診療は引き続き行っていただけることとなっており、今後も多摩市をはじめ、南多摩医療圏における三次救急になっていただくことに変わりはございません。現段階において、日本医科大学は閉院する、あるいは他に行くとも一言も言ってはございませんので、そうした噂が広がらないよう、私共も注意して市民の皆さんに伝えていかなければならないと考えております」と話しました。

日医大のホームページには「日本医科大学多摩永山病院の移転・建替え計画の実現に向けて、多摩市と本法人は、お互い真摯に協議を継続し、検討を重ねて参りました。しかし、双方の財政状態、更には社会経済情勢の変化等により、残念ながら計画を断念せざるを得ませんでした。総合的に見て、移転・建替えに必要な資金調達とその後の経営安定化の条件が整わないためこの計画を断念しますが、南多摩医療圏の地域医療に貢献するべく今後も検討していきます。」と表記されています。

旧多摩ニュータウン事業本部用地
旧多摩ニュータウン事業本部用地

なお、土地交換で取得した「旧ニュータウン事業本部用地」について、多摩市は今後、活用の検討を進めていくとしています。

移転・建て替えの計画が白紙になったことは残念ですが、多摩永山病院が今の場所で1日も長く診療を継続してくださるのを、一市民として願うばかりです。

日本医科大学多摩永山病院の移転・建替え|多摩市公式ホームページ

日本医科大学多摩永山病院の「旧多摩ニュータウン事業本部跡地への移転・建替え計画」を断念します ~ 地域医療への貢献は今後も継続します ~|学校法人日本医科大学(公式ホームページ)

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多摩ポン編集部
東京・多摩エリアの開店・閉店情報、イベント情報、グルメ情報、地元ニュース、気になる生活情報をお伝えします!東京都多摩市エリア在住15年以上。