
多摩市・聖蹟桜ヶ丘駅近くにある関戸公民館ヴィータホールにて、「映画『耳をすませば』公開30周年記念上映会&トークショー」が、2025年8月10日に開催されました。今回はイベントの模様をお伝えします。
地元中学校の生徒の皆さんによる「耳すま」名場面再現や「カントリーロード」を合唱

2部制で開催された今回の30周年イベントには、各回180名の定員に対し、北海道から沖縄まで全国から計7,000名以上の応募があったそうで、同作の変わらぬ人気の高さがうかがえます。
イベントは1回目の上映後、地元多摩市の聖ヶ丘中学校の皆さんが登場し、『耳をすませば』の中から名場面を再現するコーナーや、映画の主題歌となった「カントリー・ロード」をアカペラで合唱し、観客から大きな拍手が送られました。
月島雫 役の本名陽子さん

続いてトークショーでは、主人公・月島雫 役の本名陽子さんが登場。「30年経って、こうして皆さんと作品を一緒に振り返られることが本当に幸せです」と笑顔で挨拶しました。
野球部の杉村役・中島義実さん

ゲストとして、本編内で神社の境内で雫に告白した野球部の杉村役・中島義実さんが登場しました。
本名さんが雫の声で「すーぎーむーらー!」と呼びかけると、中島さんも杉村の元気な声で「月島ーっ!」と返答しながら登場し、会場を大いに沸かせました。

今回の共演は昨年、中島さんが地元・埼玉県狭山市でのイベントに和太鼓演奏で出演する際に、本名さんの名前を楽屋前で見つけて、喜びの再会を果たしたことを話し、今回の共演につながったそうです。
映画の収録時、生徒役の声優はほとんどが中学生や高校生でしたが、中島さんは「声優をやった時は20歳だったので、みんなのお兄ちゃん的な存在で張り切ってました」と当時を振り返りました。
伝説の「告白シーン」を生再現

当時のエピソードトークが尽きない中、劇中でも名シーンのひとつとなっている神社前での杉村から雫への告白シーンを生再現。
声色も当時のままに、おふたりが息の合った掛け合いを披露し、直前に本編を観たばかりの観客の皆さんを一瞬で映画の世界へと引き込みました。
Kaoさん(天沢聖司のヴァイオリン担当演奏モデル)

ゲスト2人目は、劇中で天沢聖司役のヴァイオリン演奏モデルと実演奏を担当したKaoさん。ヴァイオリンのシーンは、Kaoさんの演奏映像をもとに長時間かけて作画されたそうです。
Kaoさんは「それがまさか聖司さんになって、私が弾いた形がそのまま残っているというのは、その時は考えもしなかったです。びっくりしました」と話していました。
さらに本編の音楽を担当した野見祐二さん(この日はビデオメッセージで出演)が作曲した「耳をすませば イメージアルバム」から「ヴァイオリンをつくる少年」を披露しました。

トークショーの最後にはKaoさんによるヴァイオリン演奏に続き、本名陽子さんが主題歌の「カントリー・ロード」を披露。(ピアノは佐藤めぐみさんが担当)会場からは手拍子が起こり、公開30周年をお祝いしました。
本名さんは、「(イベントを)開催できたのは、ここにいらっしゃる皆さんや、せいせき観光まちづくり会議の方々をはじめ、多くの方々のおかげです。本当に感謝でいっぱいです」と感謝の気持ちを話しました。
さらに、1998年に亡くなった近藤喜文監督へも思いを馳せ、「この思いが近藤監督にも届いているのではないかと思います。『耳をすませば』はジブリ作品の中でも特別な存在で、本当に素敵な作品です」と話し、トークイベントを締めくくりました。
「イバラードの世界『耳をすませば』井上直久展」が8/11(月)まで開催中

なお、会場となった関戸公民館7階ギャラリーでは、「イバラードの世界『耳をすませば』井上直久展」が8月11日(月)まで開催中(9時〜17時・入場無料)です。
劇中にも登場する月島雫の空想シーンの原画をはじめ、代表的な作品が展示されていて、来場した皆さんもその世界観を存分に楽しんでいました。
© 1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH