
2025年11月15日に開催された「第17回TAMA映画賞授賞式」の模様をお伝えしています。
『この夏の星を見る』は、最優秀新進女優賞を中野有紗さんと桜田ひよりさん、最優秀新進男優賞を黒川想矢さん、最優秀新進監督賞を山元環監督がそれぞれ受賞し、登壇者たちは喜びの気持ちを語りました。
中野有紗さん(最優秀新進女優賞)

『この夏の星を見る』で、最優秀新進女優賞を受賞した中野有紗さんは「まだこの世界に入って間もない私が、このような素晴らしい舞台に立たせていただけるのは、『この夏の星を見る』チームの皆さんと、今まで私を常に支えて導いてくださる方々のおかげだと実感しています」と受賞挨拶。
多摩には幼い頃によく訪れていたそうで「多摩センターからモノレールに乗って多摩動物公園に行ったりだとか、プラネタリウムとかテーマパークに行くことがすごく楽しくて、思い出がたくさんあります」と話していました。
山元環 監督(最優秀新進監督賞)

『この夏の星を見る』で、最優秀新進監督賞を受賞したのは山元環 監督。
「僕にとっては初商業映画となりまして、長編としても初めてで、僕自身にとってはすごく挑戦的な映画となりました」と受賞挨拶。
夜空の撮影はデイ・フォー・ナイトという手法で、ほとんどが昼に撮影していたそうです。「僕たちスタッフも夜空を想定してイメージしながら撮影をしていたし、俳優の皆さんもイメージしながら感情を作り上げて、しかもセリフの中でその強い眼差しを夜空に向けていただけたので、僕はそれをとにかく信じて撮りきってきたのが、この映画にとっての正解だったなと思います」と作品を振り返りました。
中野有紗さん、黒川想矢さんとクロストーク

その後は中野有紗さんと、『国宝』『この夏の星を見る』で最優秀新進男優賞を受賞した黒川想矢さんが登壇して、山元監督とのクロストークとなりました。
同作は茨城・東京・長崎五島を舞台にコロナ禍で青春を奪われた高校生たちが、オンラインで開催する「スターキャッチコンテスト」を通じて、全国の仲間とつながり、失われた夏を取り戻そうとする青春群像劇。黒川さんは中野さんとお会いするのがこの日で2度目だったそうです。

中野さんは「読み合わせのときくらいで、撮影中は五島列島に訪れていたので、五島チームのキャストの皆さんとスタッフの皆さんとしか交流することができなかったんですけど、映像を見たときに各地の登場人物の皆さんの思いとか背景を知ることができて、自分の頭の中でバラバラだったシーンが一つになって感慨深かったです」と当時を振り返りました。
黒川さんは「1度目が本読みと星の勉強会ですね。僕たち東京組の撮影が最後だったんですけど、五島とか茨城から帰ってきてスタッフの方が日焼けで真っ黒になっていて、僕たちは想像を膨らませていたような気がしました」と話しました。
桜田ひよりさん(最優秀新進女優賞)

お仕事の都合で授賞式の最後に登場したのは『この夏の星を見る』『大きな玉ねぎの下で』で最優秀新進女優賞を受賞し桜田ひよりさん。
「コロナ禍の物語ということで、私も当時は同じ高校時代を送っていて、文化祭や体育祭、部活は全部中止になっていました。実際に自分も辛い経験をしていたので、共感できる部分もすごく多かったです」と振り返りました。
映画祭のパンフレットに「あなたにとって映画とは?」との質問に「なくてはならないものです」と綴った桜田さん。
その理由を尋ねられると「10代のときにお芝居にすごく悩んでいたとき、何でもいいから映画を観ようと1日に多くて4本を観たりと、私もいつかこの芝居ができるようになりたいっていう活力をもらっていた年がありました。私がお芝居を純粋に楽しくできるのは、あの日の自分がいたからだなと思いますし、その自分を含めて映画は自分にとって、なくてはならない存在だなと思っています」と話していました。














