2022年11月26日に多摩市の「パルテノン多摩」大ホールで開催された「第14回TAMA映画賞授賞式」の模様をお伝えしています。
映画『さがす』で最優秀男優賞を受賞した佐藤二朗さん、最優秀新進女優賞を受賞した伊東 蒼さん、最優秀新進監督賞を受賞した片山慎三監督が登場しました。
伊東 蒼さん(最優秀新進女優賞)
『さがす』で最優秀新進女優賞を受賞した伊東 蒼さんはグレーのシックなワンピースで登場。
「こんなに素敵な賞をいただけたのは事務所の人や家族、スタッフ、友人のおかげです。これからもひとつひとつの作品や役を大切にして周りの人への感謝を忘れずに頑張っていきます」と受賞コメント。
本篇では佐藤二朗さん演じる原田智の娘・楓を演じた伊東さんは大阪府出身。
「ここまで長く関西弁でお芝居をしたのは初めて。台本を読んだときから楓ちゃんを身近に感じることが出来て、大阪の街並みで撮影出来たのはすごく楽しかったです。東京で撮影する時はホテルから現場に入ることが多かったですけど、自分の家から撮影現場に行ってり、学校に行ってから現場に行くのがはじめてで、新鮮というか変な感じがしてました」と撮影時の様子を話していました。
佐藤二朗さん(最優秀男優賞)
『さがす』『truth 姦しき弔いの果て』『バイオレンスアクション』に出演し、最優秀男優賞を受賞した佐藤二朗さんは、この前に受賞した松坂桃李さんのコメントを受けて「桃李が全部バラしましたね。正直に言いますと俺から聞いたことを桃李がすべて言うとすべて予測していました。それを受けて『バラすなよ桃李』まですべて想定内です。ごめんなさい嘘をつきました」と会場沸かしたことろで、
「31歳から映像の世界に入って今年で22年目です。22年の間に僕が俳優として唯一もらった賞は『NG大賞』です。僕褒められるの大好きなんですけど、NG大賞はどちらかと言うと叱られているような賞なので、今回はじめて褒められた感じがします。よくバイプレーヤーなんて言いますけど、そういった俳優がこうした賞をいただくということは僕自身にももちろんですけど、たくさんの俳優や見ている方、僕自身の励みになります。ありがとうございました」と喜びのコメント。
喜びが爆発した二郎さん。受賞を初めて聞いたときのことを聞かれると「いやあ、どういう…バカヤロウ!!っと、ごめんなさい、ちょっと何言ってるかわかりませんね。あとごめんなさい、全然関係ないんですけど、いや、怒られるからやめるか。思いついちゃったダジャレは口に出さないと気がすまなくなったら中年という山田孝之の名言ですけど、どうでもいいですけど。キャスト・スタッフ、映画を見てくださった皆さんには大感謝で今日どんなスピーチをしようか車の中で考えていたんですけど、言わないと後悔するんで言ったらもっと後悔しますけど言います」と前置きした上で、
「今日11月26日。”いい二朗の日”」と言い切ると、会場から割れんばかりの拍手が巻き起こりました。
受賞理由のひとつに「多彩で濃淡をつけた演技」と評された佐藤二朗さん。
「後半にいろいろ探しだすんですけど、ネタバレになるから、いろんなかっこいい所あるんですけど、(登場前の本編映像を見て)なんかお口をクチュクチュして、後半歩いているだけで、いつもの俺じゃないって」と話すと会場は大爆笑に。
その後は伊東蒼さんと『さがす』の片山慎三監督を交えたクロストークに。
二朗さんと伊東さんの父娘関係について聞かれた片山監督は「実際のお父さんと娘に見えるような映画をみて、うまい空気を作っていただいて上手だなあと思いました」と話すと「ハハハっどういうことや片山!」と二朗さんがツッコむ場面も。
二朗さんのお父さんぶりについて聞かれた伊東さんは「撮影の前半にお父ちゃん(佐藤さん)と一緒のシーンを撮って、後半はお父ちゃんが居なくなってからのシーンを撮影したんですけど、現場に佐藤さんが居ないのがすごく不安で。佐藤さんが現場にいるだけですごく安心して、お父ちゃんが居るから大丈夫だと思ってお芝居出来ました」と話すと「本当?あとでお小遣い上げるからもっと褒めなさい。多分この会場で一番喜んでいるのは俺だから。嬉しいね」と満面の笑みで喜びをあらわにした二朗さん。
終始軽妙なトークで会場はずっと笑いに包まれました。
最後に二朗さんは「日本映画で一番たくさん観たのが『幸福の黄色いハンカチ』(1977)なんです。『男はつらいよ』の記念すべき第一作の公開が昭和44年(1969)は僕が生まれた年です。今日この後、おいでになる倍賞さんと同じ式に居られるというのは僕にとって大きな喜びです。僕にNG大賞以外で与えてくれたTAMA映画賞の名に恥じぬようこれからも頑張っていきます」と締めると、会場からは大きな拍手が沸き起こりました。
その後、登壇した倍賞千恵子さんからは握手を求めれて恐縮する姿や、最後の記念撮影時はステージ上で倍賞千恵子さんの隣に座り、2ショットでお話しする場面も観られて、この日は佐藤二朗さんにとって忘れられない1日となったようです。
第14回TAMA映画賞受賞作品・受賞者はこちら!
【最優秀作品賞】
- 『LOVE LIFE』 深田晃司監督、及びスタッフ・キャスト一同
- 『ハケンアニメ!』吉野耕平監督、及びスタッフ・キャスト一同
【特別賞】
- 『メタモルフォーゼの縁側』
- 『恋は光』
【最優秀男優賞】
- 佐藤二朗 『さがす』『truth 姦しき弔いの果て』『バイオレンスアクション』
- 松坂桃李 『流浪の月』
【最優秀女優賞】
- 倍賞千恵子『PLAN 75』
- 広瀬すず『流浪の月』
【最優秀新進監督賞】
- 片山慎三 監督『さがす』
- 森井勇佑 監督『こちらあみ子』
【最優秀新進男優賞】
- 磯村勇斗『ビリーバーズ』『PLAN 75』『異動辞令は音楽隊!』『さかなのこ』『前科者』『彼女が好きなものは』ほか
- 横浜流星『流浪の月』『アキラとあきら』『嘘喰い』『あなたの番です 劇場版』『DIVOC-12』
【最優秀新進女優賞】
- 河合優実『PLAN 75』『愛なのに』『ちょっと思い出しただけ』『女子高生に殺されたい』『百花』『冬薔薇』ほか
- 伊東蒼『さがす』『恋は光』『MIRRORLIAR FILMS Season4』