2023年11月25日に開催された「第15回TAMA映画賞授賞式」の模様をお伝えしています。
最優秀女優賞に黒木華さん、最優秀男優賞に佐藤浩市さんが受賞。おふたりが出演した『せかいのおきく』のメガホンをとった阪本順治監督がサプライズで駆けつけました。
黒木華さん(最優秀女優賞)
『せかいのおきく』『ヴィレッジ』『映画 イチケイのカラス』『ほつれる』で、最優秀女優賞を受賞した黒木華さんは落ち着いた着物姿で登場。
黒木さんは「私がこのTAMA映画賞で、最優秀新進女優賞をいただいてから10年経ちました。また10年の時を経て、この場に戻ってこれたことを大変嬉しく思います」と受賞挨拶。
『せかいのおきく』をはじめ、今年6作品に参加したことについては「本当にいろんな映画に参加させていただくことができて、すごく幸せな毎日を過ごしていたなと思います」と振り返りました。
黒木華さんと阪本順治監督さんは大阪出身ということもあり、現場は和気あいあいとした温かい雰囲気に包まれていたと話す黒木さん。
劇中、習字で好きな人の名前を書くキュートなシーンについて聞かれると「(阪本)監督の言われたとおりにやりました。恥ずかしがってゴロゴロするっていうの年的にどうなんだろうかと思ったんですけど、監督からおきくの所作に愛らしさが含まえていると話されていて大事に演じました」と笑顔で答えました。
この日は阪本順治監督がサプライズでお祝いに駆けつけ、黒木さんに花束を渡しました。
阪本監督は「(黒木さんと)はじめてご一緒したんですけど、関西弁が飛び交う現場で、たまにタメ口利かれるし、とっても楽しい現場でした」とにこやかにコメントすると、黒木さんは「許してくださるから、ついつい『元気?』と」と話して、阪本監督が照れ笑いする場面も。
続けて「着物の着こなしとか、お辞儀の仕方とか、セリフのない仕草で好きな人にものを伝えるのは彼女のオリジナルなので、それを至る所で見られて良かったと思います」と黒木さんの演技を絶賛していました。
佐藤浩市さん(最優秀男優賞)
『春に散る』『せかいのおきく』『仕掛け人・藤枝梅安2』『大名倒産』『キングダム運命の炎』『ファミリア』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』で最優秀男優賞を受賞したのは佐藤浩市さん。
『春に散る』では、横浜流星さんとマンツーマンでボクシングの練習に励む姿がとても印象的だった佐藤さん。「空手をやっていた横浜くんは足のさばき方がボクシングと違うので、それを一からやり直して、引きの画でもちゃんとボクシングをやってるというくらいまで叩き上げたその努力には本当に頭を下がりました」と横浜流星さんを絶賛。
今年8作品に出演した佐藤浩市さん。出演の決め手を聞かれると「人間関係しかないです」とにっこり。
役の切り替えについて聞かれると「若い頃は切り替えが苦手なタイプだったと思うんですけど、ある時から切り替えも早くなりましたね。前作と近い役というのは実は一番難しい。できるだけそこに距離感があった方が、自分としては切り替えがやりやすいです」と話しました。
その後、再び阪本監督が登場してクロストークに。
30数年来の旧知の仲というお二人は阪本監督が2歳年上。「このふたり(佐藤さんと黒木さん)はタメ口なんですよ(笑)」とにこやかに話しました。
最後に黒木さんが加わり3人のクロストークに。
2013年の『草原の椅子』以来の佐藤さんとの親子役での共演となった黒木さんは「その時はまだ映画も出させてもらったばかりで、右も左も分からないような感じだったので、その中で浩市さんが優しいお父さんとしてその場にいてくださって、10年ぶりに前でこうして共演できることは自分にとって奇跡のようなことです」と話すと、
佐藤さんも「若い俳優さんとご一緒して、それが数年経ってまたご一緒した時にその人がどうなってるか。それを自分の中で感じるということも、僕らの世代を楽しみであります」と黒木さんとの共演を喜んでいました。