2023年11月25日に開催された「第15回TAMA映画賞授賞式」の模様をお伝えしています。
『658㎞、陽子の旅』で最優秀女優賞を受賞したのは菊地凛子さん。
菊地凛子さん(最優秀女優賞)
きらびやかなたいとドレスで登場した菊池さんは「本当に嬉しいです。映画は観客の皆さんに手渡されて、旅していくわけですけれども、本当に心に残っていたんだと実感することができて大変うれしく思いますし、とても心の励みになりました」と受賞挨拶。
『658㎞、陽子の旅』は、かつて夢への挑戦を反対され20年以上疎遠になっていた父の訃報を受けた陽子(菊地凛子さん)が、東京から故郷の青森県弘前市まで車で向かうロードムービー。
菊池さんは「彼女(陽子)が少しずつ心を開いたり、成長して自分を見直していくのですが、そうした心の変化とか動きをどうしたら彼女であれるかということを丁寧に考えて、監督と相談しながら一緒にやっていました。キャストの皆さんは本当に明るく現場に来てくださいまして、その時その時を一緒にシェアしてくださったことは今でも心に残っていますし、陽子との会話がすごく自然に皆さんと出来たことが何よりも私の旅を続けられる大きな糧となりました」と感慨深く作品を振り返りました。
鈴木亮平さん(最優秀男優賞)
『エゴイスト』『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室』で最優秀男優賞を受賞したのは鈴木亮平さん。
「この『エゴイスト』という映画は撮影期間がほんの20日間程度だったんですが。私と共演の宮沢氷魚くんと阿川佐和子さんと松永監督とそして撮影の池田さんとその他全員が本当に集中して一つになって走り抜けたというか、ただただその場で生きさせていただいたという。今も本当にあの時間はあったんだろうかと思うような夢のような期間でした。それをこのような形で評価していただいて、とてもうれしく思います」と受賞挨拶。
共演した宮沢氷魚さん、阿川佐和子さんについて聞かれると「監督の演出が台本通りに喋らなくていいから、とにかく相手とその場に生きているということを大事にした演出だったので、撮影期間は氷魚くんというか「龍太」としてとしていられましたし、阿川さんとも本当に素敵な特別な関係を作ることができました」と撮影時を振り返りました。
その後、同作を監督した松永大司監督が登場してクロストークに。
松永監督は「(鈴木さんは)本当に努力の人。一つの役を演じるためにどの役に対しても真摯に向き合って一生懸命リサーチをして、僕は現場でいろんなアイディアを出させてもらって台本にないところも撮らせてもらったんですけど、亮平を含めてみんなが基礎を作って現場に臨んでくれたからだと思ってます。現場では瞬発力というか、彼が持っている本能的なものみたいなものを一緒に撮らせてもらったんですよね。本当に舌を巻きました」と最大級の賛辞を贈りました。
作品に対して鈴木さんは「未だに客観的に観れないと言いますか、氷魚くんと阿川さんと生きていた日々を撮られてたんだっというような、撮り方をしてくださったんですよね。なので、多分僕はこの映画 10年以上経たないと客観的に映画としては観れないんだなと今でも思ってます。それぐらい自分が役者だとか演技しているようなことを忘れさせてくれる環境を作るんだという思いをスタッフ全員で作り上げていってくれたような感覚の現場でした」と撮影時のエピソードを話しました。