今回は2023年11月25日に開催された「第15回TAMA映画賞授賞式」のまとめをお伝えします。
当日はYouTubeでのライブ配信が行われていましたが、今年も授賞式のアーカイブ動画が2024年3月末までの期間限定で公開されました。受賞した皆さんの喜びの声をぜひ動画でも観てみてください。
※動画公開期間は終了しました
金子由里奈 監督(最優秀新進監督賞)
『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』で最優秀新進監督賞を受賞した金子由里奈 監督は「とても光栄です。生きづらいと言われる現代社会ですけど、それに対する怒りが自分自身に向いてはいけないと思っていて、この物語はじゃあどうすればいいんだろうという会話のきっかけになるような、そんな力があると思ってました」と挨拶しました。
福永壮志 監督(最優秀新進監督賞)
『山女』で同じく最優秀新進監督賞を受賞した福永壮志 監督「自分は長い間海外で生活して4年前に帰国して作った最初の映画です。海外に行っているうちに日本や日本人に興味関心が湧いて、その中で特に民衆が自分たちの言葉で語った物語やその奥にある世界観に興味が湧きまして、それを創作することでそこに近づきたい、もっと知りたいというところから始めました」と作品を撮り始めた経緯を話しました。
髙石あかりさん(最優秀新進女優賞)
『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』『Single8』『セフレの品格 決意』『わたしの幸せな結婚』ほかで最優秀新進女優賞を受賞した髙石あかりさんは「小さい頃から女優になることが夢で、こうしてここに立てたことがすごくうれしくて、芝居が大好きなんですけど、より好きにさせてくれた「ベイビーわるきゅーれ」という作品で、このような素敵な賞いただけたのが本当に光栄に思っております」と喜びの受賞コメント。
山田杏奈さん(最優秀新進女優賞)
『山女』で同じく最優秀新進女優賞を受賞した山田杏奈さんは「『山女』という作品が私にとってほとんど初の時代劇であったり、(自身が演じる)凛という役柄もすごく過酷な状況に置かれていたので、日々戦いながらの撮影でしたが、それがこのような形で皆さんのもとに届いているということを実感できて本当に嬉しく思います」と挨拶しました。
奥平大兼さん(最優秀新進男優賞)
『君は放課後インソムニア』『ヴィレッジ』『あつい胸さわぎ』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』で最優秀新進男優賞を受賞したのは奥平大兼さんは「原作の中に出てる雰囲気を実写で出せればいいなということを意識していました。(共演した)森七菜さんがその雰囲気を出すためにキャストのみんなにすごく温かい雰囲気をくださいましたし、森さんのお芝居を受けてナチュラルにお芝居できました」と森七菜さんに感謝を伝えました。
目黒蓮さん(最優秀新進男優賞)
『わたしの幸せな結婚』『月の満ち欠け』で最優秀新進男優賞を受賞した目黒蓮さんは「(『わたしの幸せな結婚』の塚原監督は)現実を大切にされている方。芝居経験がまだ少ない時期に塚原監督と出会うことができて本当に幸運だなと思います。『わたしの幸せな結婚』を撮影した後の作品でも塚原さんに教えていただいたことが生きてきたなと本当に感謝しています」と撮影時のエピソードを振り返りました。
『リバー、流れないでよ』(特別賞)
特別賞を受賞した『リバー、流れないでよ』からは藤谷理子さん、永野宗典さん、上田誠監督が登場しました。
京都・貴船を舞台に2分間の長回しを36回繰り返すタイムリープなこちらの作品は「貴船をロケーションで使わせていただけると決まって、そこから地形に合わせて物語を作っていきまして、歩いてだいたい半径2分ぐらいのエリアで物語が全て起こるんだとわかってきたので、じゃあ2分間を繰り返す物語にしようと作っていきました」と物語を作るきっかけを話しました。
『君たちはどう生きるか』(特別賞)
特別賞もう一作品は『君たちはどう生きるか』が受賞。スタジオジブリ執行役員の野中晋輔さんが登場しました。
宮崎駿監督からの受賞コメントを代読した野中さんは宮崎監督の次回作について聞かれると「宮崎監督にとって『君たちはどう生きるか』っていうのはまだ終わってませんで、今は頭を空っぽにしようとしているというところ。ただ、ヒットしたということに関しては非常に安堵してまして、お客さんに大変感謝しております」と話していました。
黒木華さん(最優秀女優賞)
『せかいのおきく』『ヴィレッジ』『映画 イチケイのカラス』『ほつれる』で、最優秀女優賞を受賞した黒木華さんは「私がこのTAMA映画賞で、最優秀新進女優賞をいただいてから10年経ちました。また10年の時を経て、この場に戻ってこれたことを大変嬉しく思います。本当にいろんな映画に参加させていただくことができて、すごく幸せな毎日を過ごしていたなと思います」と振り返りました。
菊地凛子さん(最優秀女優賞)
『658㎞、陽子の旅』で最優秀女優賞を受賞した菊地凛子さんは「本当に嬉しいです。映画は観客の皆さんに手渡されて、旅していくわけですけれども、本当に心に残っていたんだと実感することができて大変うれしく思いますし、とても心の励みになりました」と喜びの挨拶をしました。
鈴木亮平さん(最優秀男優賞)
『エゴイスト』『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室』で最優秀男優賞を受賞した鈴木亮平さんは「『エゴイスト』は私と共演の宮沢氷魚くんと阿川佐和子さんと松永監督とそして撮影の池田さんとその他全員が本当に集中して一つになって走り抜けたというか、今も本当にあの時間はあったんだろうかと思うような夢のような期間でした。それをこのような形で評価していただいて、とてもうれしく思います」と笑顔で挨拶しました。
佐藤浩市さん(最優秀男優賞)
『春に散る』『せかいのおきく』『仕掛け人・藤枝梅安2』『大名倒産』『キングダム運命の炎』『ファミリア』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』で最優秀男優賞を受賞した佐藤浩市さん。
出演の決め手を聞かれると「人間関係しかないです」とにっこり。役の切り替えについて聞かれると「若い頃は切り替えが苦手なタイプだったと思うんですけど、ある時から切り替えも早くなりましたね。前作と近い役というのは実は一番難しい。できるだけそこに距離感があった方が、自分としては切り替えがやりやすいです」と話しました
『雑魚どもよ、大志を抱け!』(最優秀作品賞)
最優秀作品賞に輝いた『雑魚どもよ、大志を抱け!』 からは足立紳監督と田代輝さん、白石葵一さん、松藤史恩さん、岩田奏さん、蒼井旬さん、坂元愛登さんが登場しました。
足立紳監督は「並んでいる6人と仕事で来れなかった主演の池川侑希弥が頑張ってくれた。彼らが本当によくやってくれて、こういう場に連れてきてもらったと思ってます。ありがとうございます」と喜びの挨拶をしました。
『怪物』(最優秀作品賞)
最後は『怪物』で最優秀作品賞を受賞した 是枝裕和監督、黒川想矢さん、柊木陽太さんが登場しました。
是枝裕和監督は「作品は監督のものではなくてキャストとスタッフ全員の力が集まって出来上がっているものなので代表してここに来ていますけども、いま隣にいるこの二人の役者さんと出会えたことがこの作品にとって一番大きかったなとあらためて思っております」と黒川さん、柊木さんに感謝を伝えました。
来年の開催も楽しみです。スタッフのみなさんお疲れ様でした!