2022年11月12日(土)~11月27日(日)まで開催される「第32回TAMA CINEMA FORUM」。
多摩市の「パルテノン多摩大ホール」にて今年度の国内映画賞のトップバッターとなる「第14回TAMA映画賞授賞式」が開催され、松坂桃李さん、広瀬すずさん、横浜流星さんら、今年活躍した映画キャスト、スタッフが登壇しました。
横浜流星さん(最優秀新進男優賞)
『流浪の月』『アキラとあきら』『嘘喰い』『あなたの番です 劇場版』『DIVOC-12』で最優秀新進男優賞を受賞した横浜流星さんは黒のスーツで登場。
「自分の好きな原作『流浪の月』の映画化に携われたこと、自分の中でも大事な作品なので素敵な賞をいただけて非常に嬉しく思います」と受賞コメント。
映画祭のパンフレットには「挑戦的な作品だった」と寄せた横浜さん。「更紗(広瀬すずさん)と文(松坂桃李さん)に影響を与えないといけないし、観ている方にも嫌悪感を与えないといけない役でとても挑戦的だったんですが、撮影中は悩みながらも監督を信じて、なんとか乗り越えられたと思います」と演じた役柄について話しました。
「怒り、悲しみは自分の中で作っていこうと思いました。ただ、本当に亮(横浜流星さん)が出来たのは李監督、広瀬さん、松坂さんをはじめとしたキャスト・スタッフのみなさんが亮という人間を引き出してくれて本当に感謝しています」とコメント。
横浜さんはスケジュールの都合で受賞後に会場を後にしましたが、会場から大きな拍手が沸き起こってました。
松坂桃李さん(最優秀男優賞)
『流浪の月』に出演し、最優秀男優賞を受賞した松坂桃李さん。
「舞台袖で(次に登場する)佐藤二朗さんが『俺がしゃべりやすいように場を柔らかくしろ』と言われて、もともとしゃべることを考えていたんですど、それが先行して今何をしゃべっていいか分からなくなってしまったんですけど(笑)」と話すと、舞台袖から佐藤二朗さんが『バラすなよ〜』と聞こえて会場が大爆笑する場面も。
「昔、チャップリンが『あなたのベストアクトは?』との質問に『僕のベストは常に次回作だ』と答えて、それがすごく良いコメントだなと思ってて、まだチャップリンには遠く及ばないんですけど、この『流浪の月』に関しては、間違いなく今の僕の中のベストだと思ってます。僕の中ですべてを出し切ろうと、挑戦的な作品でしたし、勝負の作品だと思ってたので、今回受賞することができたのは本当に嬉しいです」と喜びのコメント。
映画祭のパンフレットには、演じた佐伯文という役は「今までのキャリアの中で一番過酷で高い壁だった」と寄せた松坂さん。
役柄上、大きく減量してクランクアップした日に李監督に食事に連れて行ってもらったところ、胃が小さくなり、おかゆを頼んだそうです。「そのおかゆが本当に美味しくて、忘れられない「おふくろの味」というくらいトップ3に入る美味しいおかゆになりました」とクランクアップ時の秘話を披露しました。
広瀬すずさん(最優秀女優賞)
同じく、『流浪の月』で最優秀女優賞を受賞した広瀬すずさんは、ブルーのシャツにネクタイのボーイッシュなスタイルで登場。
「自分の中では苦しい撮影だったと思うんですけど『流浪の月』という作品が多くの方に届いていたんだなと思うと、ふんばって良かったなと思います」と受賞コメント。
李監督とは『怒り』に続いて2作目。作品の撮影について聞かれると「生きてきた中で一番の心が自分の心が弱ってましたね。なにを見ても感じても苦しくて、ずっと混乱していました」
「すごくやりがいがあるというか役者としてこんな贅沢な現場はないと思いますし、役と自分自身と共演者の役を超えた人とここまで向き合っていくのが怖いなと『怒り』の時は思っていたんですけど、嫌でも向き合わされる時間を設けてくれるので、絶対に逃げられないなと思いながら撮影に参加させていただいてます」と話しました。
その後、松坂桃李さんとのクロストークに。
現場での雰囲気について松坂さんは「まずシーンについての入念なディスカッションをして、リハーサルを重ねた上でようやく撮影部の方や照明部の方を呼んで、そこでようやくテストをやるという現場は初めてで、僕はそれがすごく新鮮で、こんな濃厚な現場を(広瀬さんは)最初から踏んでいたのかと思うと、広瀬すずという人はすごいなと思いました」と李組の撮影手法について話すと、
広瀬さんは「『怒り』の時は初日にカメラを回すことがなく終わって、今回初日に監督も思うことがあったと思うんですけど、撮れたということがすごく嬉しくて、こんな感じだったなとやりながら思い出して行くような感覚でした。ひとりじゃなかったというか文(松坂さん)という自分の支えになっている人が現場でも心強かったです」と現場での松坂さんについて話しました。
共演した横浜流星さんと広瀬すずさんについて松坂さんは「現場で3人が揃ったのは1回かな、流星くんの誕生日を祝う日がありました。監督がサプライズで台本には無いカフェのシーンで流星くんに激昂しながら上がって来てくれと言って、カフェのゴミ箱の蓋を開けると、誕生日プレゼントがあるというサプライズをしたんですけど、僕はこの現場で流星くんと接する時間がなかったので、どんな顔をしたら良いか分からなくて、これ殴られるのかなと思ってたんですけど、流星くんがプレゼントを発見した時にいつもの流星くんの笑顔になった時に安心して、これからこの3人で作品を作り上げるんだな、嬉しいなと思いました」と撮影時の秘話を披露。
広瀬さんは「信用しきっているので、こういう場にいてもホッとするような感じです。人というよりも役として、皮膚感覚で信用できると言うか、すごく貴重な機会だったなと思いました。ちょうど『流浪の月』が決まった時にたまたま松坂さんと一緒の時があって、この1年思い続けられるなと(松坂さんが)存在していると思ってたんですが、撮影時にお会いすると自分の中では結構辛くって、桃李さんが現場に来るだけで泣けるというか、全部受け止めてくれてので、更紗を演じる中で一番の支えになってたのかなと思います」と松坂さんとの絆を話していました。
第14回TAMA映画賞受賞作品・受賞者はこちら!
【最優秀作品賞】
- 『LOVE LIFE』 深田晃司監督、及びスタッフ・キャスト一同
- 『ハケンアニメ!』吉野耕平監督、及びスタッフ・キャスト一同
【特別賞】
- 『メタモルフォーゼの縁側』
- 『恋は光』
【最優秀男優賞】
- 佐藤二朗 『さがす』『truth 姦しき弔いの果て』『バイオレンスアクション』
- 松坂桃李 『流浪の月』
【最優秀女優賞】
- 倍賞千恵子『PLAN 75』
- 広瀬すず『流浪の月』
【最優秀新進監督賞】
- 片山慎三 監督『さがす』
- 森井勇佑 監督『こちらあみ子』
【最優秀新進男優賞】
- 磯村勇斗『ビリーバーズ』『PLAN 75』『異動辞令は音楽隊!』『さかなのこ』『前科者』『彼女が好きなものは』ほか
- 横浜流星『流浪の月』『アキラとあきら』『嘘喰い』『あなたの番です 劇場版』『DIVOC-12』
【最優秀新進女優賞】
- 河合優実『PLAN 75』『愛なのに』『ちょっと思い出しただけ』『女子高生に殺されたい』『百花』『冬薔薇』ほか
- 伊東蒼『さがす』『恋は光』『MIRRORLIAR FILMS Season4』