JR線・京王相模原線「橋本駅」前にて2027年の開業を目指して建設中のリニア中央新幹線「神奈川県駅(仮称)」の工事現場で、初となる住民向けの大規模イベント「さがみはらリニアビジョン」が2022年10月1日~4日まで開催。イベント初日の模様を取材してきました。
チケット即満席の「さがみはらリニアビジョン」
これはJR東海をはじめとする関連団体が主催する地域住民の方々に工事の進捗などについて知ってもらうプロジェクションマッピングを使ったイベント。
4日間で2600名が参加する予定で、先着順の無料チケットは応募が始まってすぐに満席となってしまったそうです。
神奈川県駅(仮称)について
リニア中央新幹線「神奈川県駅(仮称)」は「橋本駅」前の神奈川県立 相原高校移転跡地を中心に、国道16号と交差する地下3層の大規模地下構造物です。
駅部の大部分を開削工事にて構築していて、延長約680m、最大幅50m、深さ約30mとなり、ホーム2面、線路4面をそなえる予定です。
今回のイベントでは、新たに作られた高さ約6メートルの盛り土スペースの上から駅部の開削工事現場をよく見渡すことができました。
現在、工事は全体の30%ほど進んだそうです。
今回は約17mまで開削工事が進んだこちらの工事現場の斜面(法面)をスクリーンに、リニア中央新幹線に関連するプロジェクションマッピングが投影されました。
プロジェクションマッピングがスタート
まずは工事を担当するJVのひとつ、奥村組の映像ではCMでもおなじみの奥村くみ(森川葵さん)が登場。
リニア中央新幹線が完成したら橋本(神奈川県駅(仮称))から品川まで、なんと10分で行けるそうです!
さらに橋本(神奈川県駅(仮称))から名古屋まではなんと60分(※各停の場合)で行けるそうです。これは速い!
いよいよ本編のコンセプトムービーに。
昭和39年(1964年)に開業した東海道新幹線0系から、歴代の新幹線の車両に移り変わってきます。
これがリニア中央新幹線!
低速時はゴムタイヤで走行して、およそ時速150kmを超えるとゴムタイヤを格納。10cm浮上して浮上走行するそうです。最高時速はおよそ500kmでるそう。
ちなみに品川〜名古屋間は最速40分。
将来、大阪まで完成すると、品川〜大阪間を最速67分でつなぐそうです。まさに次世代の超特急ですね!
その後プロジェクションマッピングでは、橋本駅の歴史的な写真や、神奈川県駅(仮称)の工事概要などが投影。
投影が終わるとイベント参加者の方から拍手が起こってました。
盛土見学&歩行体験
その後、参加者の皆さんは先程の「盛土スペース」を見学して、歩行体験もおこなわれました。
今後はこちらの盛り土のスペースを公園にして、工事現場を見られる一般開放の見学スペースを作る予定なのだそうです。
イベントスペース
また会場内では、JR東海はじめ、JV、神奈川県、相模原市の様々な取り組みが見られるブースを展示。
大きな重機と一緒に写真が撮れたり、
JR東海の「出張さがみはらブース」は特に人気のブース。
リニア中央新幹線のL0系車両の模型などが展示されていて、多くの方が楽しんでました。
この日はイベントに先駆けて、黒岩祐治 神奈川県知事と木村賢太郎 相模原市長が現地を視察。JR東海の金子慎 代表取締役社長らとともに「さがみはらリニアビジョン」点灯式が行われました。
黒岩祐治 神奈川県知事は「住民のみなさんが国家プロジェクトに協力してくださっている。2027年の開業を目指して作業をしっかりと進めていけると確信しました。今回多くのみなさんに見ていただくことで、こうした機運を盛り上げていきたいです」と話していました。
リニア中央新幹線は静岡県の南アルプストンネル静岡工区にて、南アルプスの生態系に影響があるなどとして実質的に工事が進捗しない状態が続いているそうです。
JR東海は、国土交通省が設置した「リニア中央新幹線静岡工区 有識者会議」に真摯に対応することなどで、地域の不安を解消して問題の早期解決に努め、静岡工区の早期着工と品川・名古屋間の早期開業に向けて取り組むとしています。
リニア中央新幹線神奈川県駅(仮称)工事現場
所在地:神奈川県相模原市緑区橋本2丁目
リニア中央新幹線|JR東海公式サイト