
読売新聞東京本社、読売巨人軍、よみうりランドの3社は、東京都稲城市のよみうりランド遊園地に隣接するエリアで共同開発する「TOKYO GIANTS TOWN」(東京ジャイアンツタウン)」内の水族館の施設計画を発表。2025年1月23日に起工式が執り行われました。
国内初の球場と一体になった水族館

地下1階地上3階建ての水族館は、3月1日に開業する「ジャイアンツタウンスタジアム」のレフト側外野席後方に建設予定です。
「生きものの世界を人が訪れ、同じ時間を共に過ごす」をテーマに、大自然の海中環境を再現し、生命の源である水が、多摩川から海、浅瀬から深い海へとつながっていくストーリーを展開するとしています。

館内は「多摩川エリア」「クラゲエリア」「アシカ・ペンギンエリア」など生息環境ごとに分かれていて、エントランスを入ると、遊園地に隣接するフラワーパーク「HANA・BIYORI(はなびより)」で繁殖したコツメカワウソがお出迎え。
「アシカ・ペンギンエリア」内の「アシカの楽園」では、よみうりランド遊園地から移住したアシカがのんびりと暮らす様子を見学できます。

30メートルの淡水水槽を眺めながらスロープを上がった先は「多摩川エリア」となり、関東最大級となる1,300トンの水量を誇る大水槽に向かいます。

「サンゴ礁」がテーマの大水槽は、浜辺から奥行30mの海水面に潜っていくように歩きながら徐々に海の世界に入っていく構成です。
大水槽の中に設けられる水中回廊は360度スケルトンのトンネルになっていて、美しいサンゴ礁の海を泳ぐカラフルな魚たちを様々な角度から眺めながら、深い海の中を歩くような没入感を体験できるとしています。
他にも「深海・太古エリア」には、1967年にフランス政府から寄贈され、日本で初めて公開されたシーラカンスの標本の展示や、「企画展示ホール」では年間を通じて様々なイベントを展開。
全体を見て回ると、1時間半~2時間ほどのボリュームとなるそうです。

起工式に参列した読売新聞グループ本社の山口寿一社長は、「水族館は完成すれば、東京ジャイアンツタウンの中核施設となります。大型水槽の中に水中回廊を通して、頭の上から足元まで360度見渡せる、まるで海の中を歩いているような、他に例のない水族館です。野球場と水族館を一体的に建設することで、多くの方々から、行ってみたい場所と感じていただけることを目指しています」と挨拶しました。

稲城市の髙橋勝浩市長は、「水族館一体型の野球場は、他に類を見ないまさにスポーツとエンターテインメントの融合で、周辺の遊園地、ゴルフ場など、総合的なアミューズメントパークとして、稲城市のみならず、東京の観光名所となることを期待しています」と挨拶しました。
水族館は2027年中にオープン予定

水族館は2027年中のオープンを予定していて、水族館の道路の反対には歩行用ブリッジでつながる飲食施設も水族館と同時期に完成予定です。

課題となるアクセスについては、京王よみうりランド駅前からシャトルバスの運行を予定しているほか、飲食施設の予定地近くにショートカットできる階段を整備中。
さらに稲城駅方向から東京ジャイアンツタウンにつながる新道がまもなく開通予定で、アクセスは今後改善される見通しです。
「TOKYO GIANTS TOWN」水族館
所在地:東京都稲城市
オープン時期:2027年中
施設規模
構造:鉄筋コンクリート造・地下1階地上3階建て
施設面積9,874㎡(延床面積+屋外展示面積)
設計:株式会社日建設計(建築・設備)、大成建設株式会社(特殊設備)
施工:大成建設株式会社