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多摩市は内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SiP)」と共同で推進している「自動走行モビリティ技術」の実証実験を、2025年2月18日(火)と19日(水)の2日間、永山地域の遊歩道で実施。実証実験に先駆けて、関係者向けの自動走行モビリティ内覧会が開催されました。
「自宅ネイバーフッド外出支援サービス」の近距離自動走行モビリティ
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「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)」の一環として行われるこちらは、少子高齢化が進む中、先進技術を用いて課題を解決する取り組みです。
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500mの移動手段に不安を抱える高齢者や障がい者の方々の外出を支えるサポートとして、情報配信サービス(アプリ/声がけロボ)からの地域情報配信や近距離の「自動運転モビリティ」、センサーで膀胱の尿の量が増えてきたらアプリでそっとお知らせしてくれる「失禁を防ぐ排尿支援サービス」といった「自宅ネイバーフッド外出支援サービス」で、地域や人とつながる機会を増やすとしています。
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この日は自動走行モビリティの研究責任者、久留米工業大学の東大輔 教授が登場しました
東教授は「屋外での小型モビリティの移動支援サービスは世の中にないと思います。まだまだ課題もありますが、多摩の皆さまにご協力いただき、将来的には全国的に展開できるサービスに作り上げていきたいです」と挨拶。
さらに多摩ニュータウンには日本一長い約41kmの遊歩道があることから、東教授は「1960年代の先人の皆さんが、住民の皆さんが楽に移動できるようにとして考えられたペデストリアンデッキが、今の時代の先進技術にマッチしていたというのが運命的なものを感じています」と話していました。
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こちらが「自動走行モビリティ」の車体。サイズは電動車いすと同じ規格で「歩行者扱い」となるそうです。車体の各所にセンサーやカメラ、GPSが装着してあります。
自動走行モビリティはアプリや電話などで前日までに予約すれば、当日自宅前まで迎えに来て、家族に気兼ねなく安全に目的地まで行けます。
安全最優先のため、速度は歩きよりもかなりゆっくりな時速2kmほどからはじめるそうです。
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前輪のタイヤは特殊な形をしていて、その場でUターンもできるなど、かなり小回りが効きます。緊急時は赤いボタンを押すと止まるそうです。

阿部裕行 多摩市長も試乗体験。阿部市長は先月の定例会見で「これから先、高齢化が進んでいった時に気軽に使える自動モビリティの原型にあたる本邦初の取り組み。私も楽しみにしています」と話していました。
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前には荷物を置くスペースもありますが、前後2名まで乗車することが可能です。
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多摩ポン編集部も実際に試乗してみました。
東教授は「鳩に抜かれる速さ」と言ってましたが、実際乗ってみると鳩よりは速い(歩きよりは遅い)感じでした。今後は座席にタブレットなどを装着して、テレビ通話で遠隔スタッフが見守りながら走行するそうです。乗り心地やデザインなど、改善点は多くありそうですが、今後の展開が楽しみです!
2/18(火)、19(水)に永山エリアで実際実験が開催
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2月18日(火)と19日(水)13時〜16時に、永山南公園近くの遊歩道で実証実験が開催されます。(雨天、降雪時は中止)
当日は試乗は出来ませんが、自動走行モビリティの走行を見学でき、東教授から説明を聞くことが出来ます。
スタート位置:ゆりのき保育園西側遊歩道付近
健幸まちづくりシンポジウム「住み慣れたまちで暮らし続けることを支えるために」が2/22(土)に開催
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さらに2月22日(土)にはパルテノン多摩のオープンスタジオにて、健幸まちづくりシンポジウム「住み慣れたまちで暮らし続けることを支えるために」が開催されます。
東教授に加えて、内閣府の「SiP」を取りまとめている筑波大学大学院人間総合科学学術院の久野譜也教授らによる基調講演や、パネルディスカッションなどが開かれます。
会場とオンラインから参加可能。下記、多摩市HP内のフォームから事前申し込みが受付中。空きがあれば当日参加もできるそうです。
開催日:2025年2月22日(土)
開催時間:午後3時から午後5時まで
開催場所:パルテノン多摩オープンスタジオ
移動の不安を抱えない「住み慣れた街でずっと暮らしたい」をかなえる多摩市を目指します!|多摩市公式ホームページ