2024年11月16日(土)~12月1日(日)まで開催される「第34回映画祭TAMA CINEMA FORUM」。
多摩市の「パルテノン多摩大ホール」にて今年度の国内映画賞のトップバッターとなる「第16回TAMA映画賞授賞式」が開催され、今年活躍した映画キャスト・スタッフが登壇しました。
上白石萌音さん(最優秀女優賞)
『夜明けのすべて』に出演し、最優秀女優賞を受賞したのは上白石萌音さん。
「この『夜明けのすべて』という映画とのご縁と、一緒に映画を作った監督はじめ、素晴らしいチームの皆様と、そしてこの物語を産み落としてくださった瀬尾まいこ先生に心から感謝申し上げます」と受賞コメント。
MCからこの映画のどういうところが好きですか?と聞かれると、「この映画はPMS(月経前症候群)と言って、生理前に心身が不安定になってしまうという藤沢さん(上白石さん)と、パニック障害をもった山添さん(松村北斗さん)のお話なんですが、PMSとパニック障害が主題ではなく、一要素でしかなくて、それがきっかけで生まれる人と人とのつながりですとか、優しさとか面白さとかが主軸になっている映画。押し付けがないというか、自然に漂っている温かさもある作品だなと感じていてそこが大好きです」と映画の魅力について話しました。
今年は舞台「千と千尋の神隠し」のロンドン公演や映画のナレーション、歌手としてでのライブツアーなど、幅広い活躍が目立った上白石さん。
「たくさんの挑戦をさせていただいて、その度に壁にぶつかって自己嫌悪と周りへ嫉妬にさいなまり続けた年でありましたが、そのたびに本当に周りの方々が、背中で示して下ったりとか、相談に乗ってくださったりとか、優しさをポンと渡してくださったりとか、本当にたくさん支えていただいた1 年だったなと思います」と今年を振り返りました。
続けて「幼い頃から両親に人の役に立ちなさいと言われ続けてきたので、誰かの役に少しでも立てるような。藤澤さんのように”あったかいおせっかい”をいっぱいしていけたらいいなと思っています」と笑顔を見せていました。
最優秀作品賞『夜明けのすべて』 三宅唱監督 及びスタッフ・キャスト一同
授賞式では『夜明けのすべて』が最優秀作品賞も受賞。スタッフを代表して三宅唱監督が登壇しました。
その後は上白石さんとのクロストークに。
上白石さんは「もともと原作の大ファンだったので、藤沢さんを演じられるという喜びと、ちょうど朝ドラ(カムカムエヴリバディ)で松村さんと夫婦役をやった頃で、山添さんは松村さんしかいない!とパチパチって閃光のように頭の中に光って。三宅監督は最初に検索した時、このお顔だったので、ちょっと震えたんですけど、お会いしたらとても優しい方で、楽しみだなとワクワク待っておりました」と撮影前の様子を話しました。
この日、最優秀新進男優賞(『夜明けのすべて』『ディア・ファミリー』『キリエのうた』)を受賞した松村北斗さんはスケジュールの都合で欠席でしたが、ビデオメッセージで出演。
松村さんの「小さなの町の生活を過度にならないよう、鮮度が落ちないよう、しかし、嘘がないように一か八かではなく、何度も話し合いを重ねて作り上げていきました」とのメッセージに、上白石さんは「松村さんのお芝居と思えないような息遣いやセリフの言い回し、笑い声などの素晴らしいお芝居に本当に日々、嫉妬を積み重ねた現場でした。松村さんと三宅さんと、あのチームだからこそ、描けたことだと思いました。会いたいですね、みんなで」と、撮影中の思い出を話していました。