吉沢亮さん『ぼくが生きてる、ふたつの世界』呉監督と撮影時を振り返る【第16回TAMA映画賞授賞式レポ②】



©多摩ポン
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2024年11月30日に開催された「第16回TAMA映画賞授賞式」の模様をお伝えしています。

最優秀男優賞に輝いた吉沢亮さんが主演した『ぼくが生きてる、ふたつの世界』に特別賞が贈られ、同作のメガホンをとった呉美保監督とクロストークする場面がありました。

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吉沢亮さん(最優秀男優賞)

吉沢亮さん ©多摩ポン
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『ぼくが生きてる、ふたつの世界』『キングダム 大将軍の帰還』『かぞく』で最優秀男優賞を受賞した吉沢亮さん。

「めっちゃ緊張しますね。こんな素敵な賞をいただけてとても嬉しく思います。ちょうど6年前に新人賞(最優秀新進男優賞)をいただきまして、それが僕にとって初めての映画賞で、すごく特別な思い出があったんですけど、また30になる年にいただけたということで、すごく縁を感じております」と、6年前に最優秀新進男優賞を受賞して以来、2回目となるTAMA映画賞受賞の喜びを話しました。

吉沢亮さん ©多摩ポン
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耳のきこえない母ときこえる息子の物語『ぼくが生きてる、ふたつの世界』では、物語の主人公で原作者でもある五十嵐大さんの中学生時代から社会人までを演じた吉沢さん。

「今年30になる男が、中学生をやるっていうのがめちゃくちゃ大変でした。監督にもずっと声を高くしてくれとひたすら言われてて」と、撮影時のエピソードを話し、笑いが起こる場面も。

吉沢亮さん ©多摩ポン
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手話のコミュニケーションが重要となった同作。「お芝居する上で、手話は眉毛を上げることによって疑問形に変わったり、口の大きさとかで文法が変わったりとすごく表情豊かなんですよね。僕が演じた大は寡黙なイメージで演じてたので、お芝居と手話をする上での矛盾する瞬間が結構あって、それが大変だったなと思います」と、演じた際の難しかった点を話しました。

呉美保監督 及びスタッフ・キャスト一同『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(特別賞)

呉美保監督
呉美保監督

吉沢さんの受賞に先立って、『ぼくが生きてる、ふたつの世界』の呉美保監督とスタッフ・キャスト一同に特別賞が贈られました。

2015年のTAMA映画賞・最優秀作品賞『きみはいい子』以来、9年ぶりの長編映画となった呉監督は「子供を産んで二人を育てていた日々で、もう一度映画作りに戻りたいなと思いながらも、もう映画を撮れないんじゃないかっていう暗いトンネルの中にいる気持ちでした。目の前には私の大好きな子供たちがいるので、今日を大事にしてたらいつか撮れると思った時にこのお話をいただきました。『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は本当に普遍的で、おそらく誰もが持つ感情を描けるんじゃないかなと思って、私の復帰作にしたいと思いました」と受賞挨拶しました。

(左から)石村真由美さん、早瀬憲太郎さん、呉美保監督
(左から)石村真由美さん、早瀬憲太郎さん、呉美保監督

呉監督に続いて、同作品で「手話演出」を担当した、早瀬憲太郎さんと石村真由美さんが登壇。

手話の指導や監修はこれまでもあったそうですが「手話演出」という役割はこの作品がはじめてで、呉監督からは手話を教えるということだけではなく、ろう者の生活や生き方全てを込めた演技とその演出をしてほしいと依頼されたそうです。

早瀬さんは「吉沢さんは素晴らしい俳優さんです。僕たちから見ると白鳥に見えるんです。白鳥は湖の上で優雅に泳いでますが、水の下ではものすごく水を掻いています。努力は絶対に人に見せず、水面下で何か努力をされている俳優さんだなとすごく感じまして、非常に感動しました」と、吉沢さんの仕事に対する姿勢に感服していました。

©多摩ポン
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吉沢さんの受賞後には呉監督とのクロストークに。

呉美保監督は「今回出てくださっている方も実際にろう者の方に入っていただいて、まるでドキュメンタリーを見ているかのようにリアルな世界を作りたいという思いの中で、手話ユーザーではない方が手話をするのは結構ハードルが高かったと思います。思春期から成長していく姿を見たいなと思っていて、そういう意味では軽々と超えてくださってありがとうございます」と吉沢さんの演技を絶賛していました。

吉沢さんは「手話を扱う作品は今までもあったと思うんですけど、日常まで落とし込まれたというか、ちゃんと息づいてる人々が使う手話を監督は目指してましたし、結構ハードルが高かったんですけど、早瀬さんと石村さんと監督とで、2ヶ月間やらしていただいて、どうにかなりました」と振り返りました。

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多摩ポン編集部
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