2022年11月12日(土)~11月27日(日)まで東京都多摩市内の3会場で開催される「第32回映画祭TAMA CINEMA FORUM」。
今年度の国内映画賞のトップバッターとなる「第14回TAMA映画賞」の受賞作品と受賞者がこの度、発表されました。
4年ぶりにパルテノン多摩で開催の「TAMA映画賞」とは?
TAMA映画賞は国内映画賞のトップを飾る映画賞です。
多摩市及び近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢を見せてくれる活力溢れる《いきのいい》作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰する市民による映画賞です。
ここ数年間はパルテノン多摩が改修工事していたため、日野市や府中市の会場で行われて来ましたが、今年は4年ぶりに「パルテノン多摩大ホール」にて「第14回TAMA映画賞」が2022年11月26日(土)に開催されます。
それでは発表された今年度の受賞作品と・受賞者の皆さんをご紹介します!
最優秀作品賞[本年度最も活力溢れる作品の監督及びスタッフ・キャストに対し表彰]
- 『LOVE LIFE』 深田晃司監督、及びスタッフ・キャスト一同(監督登壇)
【受賞理由】
平和な日常が一転し、深い哀しみやばかばかしいほどの虚しさに覆われたヒロインが、深層にあった愛を選び、踏み出していくさまは人生の本質を映し出していた。映像と楽曲を重奏させた「LOVE LIFE」に拍手を贈りたい。
- 『ハケンアニメ!』吉野耕平監督、及びスタッフ・キャスト一同(監督登壇)
【受賞理由】
好きを原動力に「誰かの胸に刺され」と強い想いで邁進する登場人物たちと、この映画製作に関わったすべての人々の情熱がリンクし、主人公と同じように生きる私たちに大きな共感と明日への希望を見せてくれた。
特別賞[映画ファンを魅了した事象に対し表彰]
- 芦田愛菜・宮本信子、及びスタッフ・キャスト一同 『メタモルフォーゼの縁側』(宮本信子さん登壇)
【受賞理由】
芦田愛菜さん演じるうららの内に秘めた「好き」と宮本信子さん演じる雪のまっすぐな「好き」が響きあって前に進む姿が、縁側のひだまりのような温もりを感じさせると共に、自分らしく自由に生きることの大切さと喜びを教えてくれた。
- 小林啓一 監督、及びスタッフ・キャスト一同 『恋は光』(監督登壇)
【受賞理由】
恋における心の揺れ動きを可視化及び言語化した独自のファンタジー世界を構築し、趣きのあるロケーションや魅力的なキャラクターを活かしてみずみずしく表現することで、恋愛映画の枠組みを越えた魅惑の作品を誕生させた。
最優秀男優賞[本年度最も心に残った男優を表彰]
- 佐藤二朗 (登壇決定)『さがす』『truth 姦しき弔いの果て』『バイオレンスアクション』
【受賞理由】
『さがす』において、堕落した生活困窮者、妻思いの夫、冷血な犯罪加担者といった多面性のある父親役を多彩で濃淡をつけた演技は、観客を震撼させると共に感動にまで導き、役者としての凄みを見せてくれた。
- 松坂桃李 (登壇決定)『流浪の月』
【受賞理由】
文という人間が抱え続けた繊細な感情の機微を零すことなく丁寧に演じた。役を存在させる温度感が絶妙で、長い年月をかけた愛の灯を静かに的確に表現し、観客を物語へ引き込んだ。
最優秀女優賞[本年度最も心に残った女優を表彰]
- 倍賞千恵子(登壇決定) 『PLAN 75』
【受賞理由】
長寿が祝福されない世相においても日々の暮らしを大切に営み、根源的に持つ「生」の力が何より優先することを示してくれた。生き抜くことを訴えかける目の力と陽に照らされた凛とした佇まいの残像が頭から離れなかった。
- 広瀬すず (登壇決定)『流浪の月』
【受賞理由】
過去の傷を背負い生きてきた主人公・更紗が、愛する人との再会によって抑圧から解放され、少女期のように溌剌と息づく様は、燃え立つ愛の炎のように静かな美しさを放っていた。
最優秀新進監督賞[本年度最も飛躍した監督、もしくは顕著な活躍をした新人監督を表彰]
- 片山慎三 監督 (登壇予定)『さがす』
【受賞理由】
観客がどこに連れていかれるのか予想だにしない展開のなかで命の尊厳や家族愛を描く構成力と、衝撃的なシーンのみならず心に残るカットを織り込みながら市井の男を狂気の沙汰に追い詰める演出力が絶妙に調和した。
- 森井勇佑 監督 (登壇決定)『こちらあみ子』
【受賞理由】
常識に染まる前のピュアな心を持ち、自由闊達なあみ子の視点を通して、不条理な出来事を達観して描く世界観が秀逸だった。他者に届かぬ思い「応答せよ、応答せよ、こちらあみ子」の明るい声が観る者の胸の内で響いた。
最優秀新進男優賞[本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人男優を表彰]
- 磯村勇斗(登壇決定)『ビリーバーズ』『PLAN 75』『異動辞令は音楽隊!』『さかなのこ』『前科者』『彼女が好きなものは』ほか
【受賞理由】
どの役柄でも演技以上の工夫を凝らした見せ方で、存在感のあるキャラクターを造形していた。『ビリーバーズ』では欲望との葛藤や内なる狂気を表現し、人間の振り切れるほどの幅を演じ分けられる俳優としての力量を見せてくれた。
- 横浜流星『流浪の月』『アキラとあきら』『嘘喰い』『あなたの番です 劇場版』『DIVOC-12』
【受賞理由】
『流浪の月』において、恋人の心が離れていると悟ったときの豹変した姿に、抱えていた孤独や愛への渇望から生じた心の闇の深さがずしりと伝わり、俳優として底知れぬスケールを感じさせた。
最優秀新進女優賞[本年度最も飛躍した女優、もしくは顕著な活躍をした新人女優を表彰]
- 河合優実(登壇決定)『PLAN 75』『愛なのに』『ちょっと思い出しただけ』『女子高生に殺されたい』『百花』『冬薔薇』ほか
【受賞理由】
さまざまな役柄で物語を動かす印象的な役作りを行い、洞察力・想像力に裏打ちされたメッセージを籠めた視線が観客の心を射抜いた。多様化し、変容する社会において、発信力のある稀有な役者として輝き続けることを期待したい。
- 伊東蒼(登壇決定)『さがす』『恋は光』『MIRRORLIAR FILMS Season4』
【受賞理由】
『さがす』において、突然の親の失踪により孤独と不安に苛まれながら、思慮深さや健気さを失わず果敢に父の真実をさがし求める姿は、観客の心を掴んだ。難役を見事にこなした研ぎ澄まされた感性は今後更に光り輝くだろう。
松坂桃李さんは2018年の第10回に続いて2回目の最優秀男優賞獲得ですね。
チケットは前売発売のみで、10月30日(日)より「パスマーケット」にて販売開始予定です
市民が作る「第32回映画祭TAMA CINEMA FORUM」は、2022年11月12日(土)~11月27日(日)まで、東京都多摩市内の3会場(ベルブホール、ヴィータホール、パルテノン多摩小ホール)で各種上映プログラムが開催されます。(※休映日あり)
「第14回TAMA映画賞授賞式」は多摩センターのパルテノン多摩大ホールにて、2022年11月26日(土)に開催されます
第32回映画祭TAMA CINEMA FORUM
【第14回 TAMA 映画賞授賞式 】
日程:2022年11月26日(土)
会場:パルテノン多摩 大ホール(所在地:東京都多摩市落合2-35)
アクセス:小田急・京王・多摩モノレール「多摩センター駅」徒歩6分
映画祭TAMA CINEMA FORUM | TAMA映画フォーラム実行委員会 公式サイト