
八王子駅南口に、新たな大型複合施設「桑都の杜(そうとのもり)」が2026年10月3日(土)にオープンします。
かつて八王子医療刑務所があった約5haの敷地に誕生する「桑都の杜」は、公園を中心に「八王子歴史・郷土ミュージアム」「いこいライブラリ」「SPOT HACHIOJI」などを一体的に整備した、学び・交流・防災の新たな拠点です。
今回はオープンを前に開催された内覧会に参加。3万年以上にわたる八王子の歴史をたどるミュージアム、総檜造りの「リフォームプライス 杜の舞台」、約3万5,000冊を備える「いこいライブラリ」、子どもが楽しめる「おやこひろば」など、実際に施設を歩いて見てきました。
さらに、10月3日(土)から運行が始まる八王子駅南口と桑都の杜を結ぶ自動運転バスや、オープンに合わせて開催される関連イベントもあわせて紹介します。
八王子駅南口に誕生する「桑都の杜」ってどんな施設?

「桑都の杜(そうとのもり)」は、JR八王子駅南口から徒歩約10分、かつて八王子医療刑務所があった約5haの敷地に誕生する大型複合施設です。2026年10月3日(土)にグランドオープンします。
施設の大きな特徴は、公園と建物が一体になっていること。八王子の「C字型のひだ地形」をイメージした「8つの山」と「3つの広場」からなる公園の中心に円形の建物を配置し、1階・2階・屋上まで公園とつながる開放的な造りになっています。

メインとなる建物「リフォームプライス 杜のセンター」の館内には、3万年以上にわたる八王子の歴史を紹介する「八王子歴史・郷土ミュージアム」、約3万5,000冊の本を備える「いこいライブラリ」、市民の交流や活動を支援する「SPOT HACHIOJI」などを整備。さらに、総檜造りの「リフォームプライス 杜の舞台」やカフェ、ショップなどもあります。
「学ぶ」「遊ぶ」「読む」「くつろぐ」「集う」など、それぞれの目的で自由に過ごせる、八王子の新たな“まちの居場所”です。
3万年以上の八王子の歴史を「歩いて」体感「八王子歴史・郷土ミュージアム」

「リフォームプライス 杜のセンター」1階にオープンする「八王子歴史・郷土ミュージアム」では、3万年以上にわたる八王子の歴史や人々の暮らしを、時代の流れに沿って紹介しています。(※八王子歴史・郷土ミュージアム常設展示室は一般300円(小・中学生200円、未就学児無料))
館内に入ってまず目を引くのが、吹き抜けの開放的なロビー。床面には八王子の航空写真が広がり、八王子のまちを上空から眺めるような感覚で、その広がりを感じることができます。

エントランスホールにある収蔵展示室では、八王子の織物産業を支えてきた「力織機」も展示されています。

常設の「展示室1」は、ぐるりと巡る「一筆書きの道」になっていて、八王子の自然や「ハチオウジゾウ」から始まり、原始・古代、中世、近世、近代、現代へと、時代を追いながら八王子の歩みをたどっていきます。

中世の横山党や北条氏照、近世の大久保長安や千人同心、八王子宿の人々、近代化を支えた人々、戦後の復興やまちを盛り上げてきた市民など、各時代の「人」にもスポットを当てているのが印象的です。
展示は、ただ資料を見るだけではありません。周囲に広がる歴史絵巻に対し、展示室の中央には、映像や体験型の映像コンテンツを配置。八王子宿を歩く旅人体験など、歴史を五感で楽しめる工夫が施されています。

昭和初期の八王子のまちなみを再現した展示や、実際に触ったり、持ち上げたりしながら資料の手触りや重さを体験できる展示もありました。

「展示室2」では、八王子の歴史・郷土をテーマにした企画展を開催。

国指定文化財など貴重な資料を紹介する「展示室3」や、郷土資料館から引き継いだ約3,000冊の図書を閲覧できる「歴史ライブラリ」、機織りなどを体験できる「ものづくり体験室」も設けられています。

開館時には、オープン記念特別展「昭和100年~八王子万博100選」が開催予定(前期:10月3日(土)〜11月29日(日)、後期:12月1日(火)〜1月31日(日)・観覧料 一般800円(小・中学生400円、未就学児無料。常設展観覧料を含む))。昭和という時代を切り口に、八王子の歴史や人々の暮らしを振り返ります。
八王子をよく知っている人も、これまで知らなかった歴史に出会える「八王子歴史・郷土ミュージアム」。桑都の杜を訪れたら、まず八王子の“これまで”を知ってから、公園やライブラリを巡ってみるのも楽しそうです。
「貸し出しをしない」新しい図書館「いこいライブラリ」

「リフォームプライス 杜のセンター」2階にある「いこいライブラリ」は、一般的な図書館とはちょっと違ったスタイルのライブラリです。

最大の特徴は、本の貸し出しを行わないこと。約3万5,000冊の蔵書(すべて新品)を館内で楽しむ「滞在型」のライブラリで、絵本や児童書を中心に、一般書やマンガなども並びます。
なお、利用登録すると、八王子市内の他館で予約した資料の受取と返却はできるそうです。

館内は会話や飲食もOK。従来の「静かにしなければいけない図書館」とは違い、子どもの声やおしゃべりも歓迎する開放的な空間になっています。

本は館内だけでなく、所定の手続きをすればテラスや公園でも読めます。一度に持ち出せるのは3冊までで、当日の閉館1時間前までに返却する仕組みです。
1階にはオープンラウンジの座席が多数ありました。

公園のベンチで本を読むもよし、芝生に寝転がって読むもよし。天気のいい日は、いつもの読書とはちょっと違った時間を過ごせそうです。

子ども向けのスペースも充実しています。「おやこひろば」は靴を脱いで上がれるクッションフロアです。親子で絵本を楽しめる「えほんの丘」があり、お子さんと自由に過ごしながら、本に親しめる空間になっています。

2階には、八王子の本や文具、地場の染色・織物商品などを販売するショップ「TOSHOP(トショップ)」もあります。

八王子らしいお土産を探したり、気になる本を手に取ったりと、ふらっと立ち寄れるショップです。
交流スペース「SPOT HACHIOJI」や自習室も

ライブラリに隣接するのが、市民の「やってみたい」「学びたい」を応援する交流スペース「SPOT HACHIOJI」です。コミュニティコーディネーターが常駐し、市民同士の交流や活動をサポートします。

カフェ「TAKAO COFFEE」も併設されているので、本を読んだり、コーヒーを飲んだり、誰かとおしゃべりしたりと、思い思いの時間を過ごせます。

さらに、自習スペースも用意されています。


無料の自習室に加えて、仕切り席や個室、ミーティングルームなどを備えた予約制の有料自習室もあり、Wi-Fiやコンセントも完備しています。
「8つの山」と「3つの広場」が広がる公園

桑都の杜の大きな魅力のひとつが、建物を取り囲むように広がる約5haの公園です。
八王子の「C字型のひだ地形」をイメージして、傾斜のある敷地を生かしながら整備されており、「花の山」「文化の山」「郷土の山」「憩いの山」「未来の山」「学びの山」「歴史の山」「冒険・遊びの山」という8つの山と、「つどいの広場」「いこいの広場」「おおぞら広場」という3つの広場で構成されています。

園内には、子どもたちが体を動かして遊べる「みんなのあそび場」や「みずのあそび場」、ふわふわドームなども整備。大人はベンチや芝生でひと休みしたり、2階の「いこいライブラリ」から本を持ち出して読書を楽しんだりできます。
園内には、姉妹都市などから贈られたチシマザクラや日光紅姫桜、おかめ桜、ヤマザクラなども植えられています。
文楽の舞台が八王子へ!総檜造りの「リフォームプライス 杜の舞台」

もうひとつの建物「リフォームプライス 杜の舞台」には、ひときわ目を引く本格的な木造舞台があります。
こちらは日本財団から八王子市に寄贈された、総檜(ひのき)造りの組み立て式舞台です。2015年に制作され、日本財団の「にっぽん文楽プロジェクト」で熊本城や明治神宮など全国7か所を巡り、文楽の公演に使われてきた舞台です。
吉野のヒノキ材を使い、組み立て・解体を繰り返し各地へ移動できるよう設計された舞台で、役割を終えた後、奈良の倉庫で保管されていたものを八王子市が譲り受けました。舞台は幅約22.2m、高さ約6.6m。現在は二人掛けの客席が約150席配置。舞台裏には楽屋も備えています。

客席後方のガラス面を開放し、外側の「杜の大屋根」と一体的に使えば、約350人が座れるイベント空間としても利用できます。
江戸時代の芝居小屋をイメージした「和」の雰囲気も魅力で、文楽などの古典芸能だけでなく、市民による文化・芸術活動やイベントなどにも活用される予定です。
「桑都の杜」のオープン日となる10月3日(土)には、この「杜の舞台」でオープニングセレモニーも開催予定。全国各地で文楽の公演を支えてきた舞台が、今度は八王子市民の新たな文化交流の場として受け継がれます。

「リフォームプライス 杜の舞台」のすぐ隣には八王子でおなじみの「BASEL(バーゼル)」の新店舗「PARK BASEL」がオープンします。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
八王子駅から桑都の杜へ!自動運転バスの運行もスタート

「桑都の杜」のオープンに合わせて、JR八王子駅南口と桑都の杜を結ぶ「自動運転バス」の実証運行も10月3日(土)からスタートします。
八王子市と東京工科大学が共同で取り組むもので、東京工科大学のスクールバスを活用。現在は「レベル2(運転手搭乗型)」の自動運転技術を用いて、八王子駅南口から「桑都の杜」までを結びます。
実証運行期間は10月3日(土)〜12月25日(金)。木曜・金曜と土日祝日を基本に、30分に1本程度の運行を予定しています。乗車は無料で、事前予約も不要です。

この日の内覧会では、自動運転バス出発式が執り行われました。
今回の実証に先立ち、今年3月には八王子みなみ野駅~東京工科大学間で自動運転の実証実験を実施。東京工科大学の須田義大教授は「ほとんど介入なしで走れるという実績を積ませていただきました」と説明しました。
内覧会では、実際に自動運転バスにも試乗しました。運転席には運転手が座りますが、走行中は車両が周辺の状況を認識しながら走行しました。

今後は、2027年1月と夏に八王子駅~片倉駅~東京工科大学を結ぶ第2弾の実証も予定。将来的にはレベル4・5の自動運転を目指して取り組みを進めます。
桑都の杜への新たなアクセス手段としてだけでなく、八王子の公共交通の未来を考える取り組みとしても注目です。
10/3(土)・4(日)はオープニングイベントが開催

「桑都の杜」では10月3日(土)・4日(日)の2日間、オープニングイベントが開催されます。
園内ではオープニングステージや、日本遺産「桑都物語」にちなんだイベント、にぎわいマルシェ、キッチンカー、ワークショップなどを予定。
10月4日(日)には、八王子駅南口の南大通りで「歩行者天国」も開催。モルックや青空ヨガ、おえかき、謎解きなど、駅周辺でもさまざまな企画が行われます。桑都の杜だけでなく、八王子駅南口エリアを歩きながら、オープンを楽しめる週末になりそうです。

内覧会に続いて行われた記者会見で、初宿和夫 八王子市長は、桑都の杜を「一言で言えば『杜』」と表現。「皆さんの手で、この杜をつくり上げていただきたい」と話しました。
かつて八王子医療刑務所があった約5haの敷地が、今度は市民が自由に過ごし、活動できる場所へと生まれ変わります。
八王子の歴史を知り、未来のまちを感じながら、思い思いの時間を過ごせる「桑都の杜」。
本を読んだり、遊んだり、文化活動を楽しんだり。桑都の杜は、オープンが完成ではなく、これから年月を重ねながら、市民とともに育っていく場所になりそうです。
桑都の杜(そうとのもり)
オープン日:2026年10月3日(土)
所在地:東京都八王子市子安町三丁目26番1号
アクセス:JR八王子駅南口から徒歩約10分、京王片倉駅から徒歩約8分
主な施設:八王子歴史・郷土ミュージアム(1F)、いこいライブラリ・SPOT HACHIOJI(2F)、展望広場(屋上)、公園、杜の舞台など
開館時間:施設ごとに異なる(公園は6:00~22:00)
休館日:施設ごとに異なる
料金:公園・ライブラリなどは無料。
※八王子歴史・郷土ミュージアム常設展示室は300円(小・中学生200円、未就学児無料)
規模:敷地面積 約5ha、延床面積 約8,300㎡
駐車場:第1駐車場156台、第2駐車場52台(予約制)
駐車料金(第1駐車場):30分まで無料、1時間まで300円、2時間まで600円、24時間まで900円
駐輪場:210台(無料)
桑都の杜(公式サイト)

















