東出昌大「30代は1本1本フルスイングで」第28回映画祭TAMA CINEMA FORUM2日目



東出昌大第28回映画祭TAMA CINEMA FORUM2日目
東出昌大さんと映画ジャーナリストの金原由佳さんによるトークイベント

2018年11月17日から11月25日まで多摩市内の3会場4スクリーンで開催中の第28回TAMA CINEMA FORUM。2日目となるこの日、パルテノン多摩・小ホールにて「東出昌大―躍動と温もりと―」が開催。

出演作『寝ても覚めても』が上映後、東出昌大さんと映画ジャーナリストの金原由佳さんによるトークイベントと第10回TAMA映画賞最優秀男優賞の贈呈式が開かれました。

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『寝ても覚めても』はリアリティがある作品

東出昌大

今年『寝ても覚めても』『菊とギロチン』『パンク侍、斬られて候』『OVER DRIVE』 『予兆 散歩する侵略者 劇場版』での演技が評価され、「二役を演じた『寝ても覚めても』をはじめ、静から動まで役柄を幅広く演じ、躍動的でありながら温もりをも感じさせた」との受賞理由で最優秀男優賞を受賞した東出さん。

「『寝ても覚めても』の濱口竜介監督は、特殊な演出方法を繰り返すことで、役者のお芝居ぽい喋り方を無くすところからはじまり、本読みを何十回繰り返し、準備期間を経てこの作品は撮れました。なんとも言えない日常を隙間から覗いているかのようなリアリティがある作品になりました」と作品を振り返りました。

東出昌大

昨年、TAMA映画賞作品賞を受賞した『散歩する侵略者』のスピンオフ作品『予兆 散歩する侵略者 劇場版』について聞かれると、「もともと黒沢清監督が好きで、監督はご自身の著書の中で『現場を滞りなく進めるのが一番の責任だ』と書かれてて、現場スタッフも一糸乱れぬ動きでひとつのグルーヴ感を感じました」と話すと、

『寝ても覚めても』の濱口監督は黒沢監督のもとで映画を勉強した師弟関係であったことを話し、「現場の空気が似ています。演出方法も似てますね」と出演した二人の監督の共通点についても話しました。

30代は1本1本フルスイングで

東出昌大

今年30歳を迎えた東出さん。「30歳という年代は20代と違いますか?」との質問に「現在60代の先輩俳優に『30代はキツイ。今、60代になって周りを見回すと、その頃から第一線でいるのは人数が限られる』」と話されたことを披露し、

「30代は本数は限られていくと思います。だから1本1本に力を入れて、良い芝居をして残さないといけないし、10年に1本というのを求め続けないといけない。僕も打席に立つ限りはフルスイングでやって完成度の高いものを出来ないとなと。30代はそれを目標にしてくと思います」と今後について語りました。


トーク終盤では会場からの質問コーナーとなり「今年1年で公開された出演作で特にお気に入りのキャラクターは?」と聞かれ「これはキツイ質問です(笑)」と笑いながらも「一番というのは決めたくないし、10年後もそうかという保証が出来ないので分からないです。うーん(10秒ほど考え)6年のキャリアの間、ある瞬間からお芝居はひとりじゃなく、共演者と一緒にやるもんなんだという大きな気づきを与えてくださったのは『聖の青春』の松山ケンイチさんの存在が非常に大きかったと思います」と一つ一つの質問に丁寧に答えていました。

最優秀男優賞を受賞

第10回TAMA映画賞最優秀男優賞 東出昌大

トークショー後は出演中の舞台『豊饒の海』のため、出席できなかった第10回TAMA映画賞最優秀男優賞の贈呈式が行われ、トロフィーが手にすると「栄誉ある賞をいただき嬉しく思います。スクリーンや舞台上で別の人間として精一杯やったところで、お客様が十人十色でなんかしらの感想を持って帰っていただけたら、それが僕の最大の喜びです」と受賞の喜びを語り、会場を後にしました。

第28回TAMA CINEMA FORUMは2018年11月17日(土)から25日(日)まで、東京都多摩市の3会場4スクリーンで開催中です。

第10回TAMA映画賞受賞作品・受賞者はこちら!

最優秀作品賞

  • 『万引き家族』(是枝裕和監督、及びスタッフ・キャスト一同)
  • 『寝ても覚めても』(濱口竜介監督、及びスタッフ・キャスト一同)

特別賞

  • 沖田修一監督、及び山﨑努・樹木希林はじめスタッフ・キャスト一同(『モリのいる場所』)
  • 上田慎一郎監督、及びスタッフ・キャスト一同(『カメラを止めるな!』)

最優秀男優賞

  • 東出昌大 (『寝ても覚めても』『菊とギロチン』『パンク侍、斬られて候』『OVER DRIVE』『予兆 散歩する侵略者 劇場版』)
  • 松坂桃李 (『孤狼の血』『娼年』『不能犯』『彼女がその名を知らない鳥たち』)

最優秀女優賞

  • 安藤サクラ (『万引き家族』『DESTINY 鎌倉ものがたり』)
  • 松岡茉優(『勝手にふるえてろ』『万引き家族』『ちはやふる -結び-』『blank13』)

最優秀新進監督賞

  • 今泉力哉監督 (『パンとバスと 2 度目のハツコイ』)
  • 三宅唱監督(『きみの鳥はうたえる』)

最優秀新進男優賞

  • 吉沢亮(『リバーズ・エッジ』『猫は抱くもの』『銀魂2 掟は破るためにこそある』『ママレード・ボーイ』『悪と仮面のルール』『レオン』『斉木楠雄のΨ難』)
  • 吉村界人 (『モリのいる場所』『悪魔』『サラバ静寂』『ビジランテ』)

最優秀新進女優賞

  • 深川麻衣 (『パンとバスと 2 度目のハツコイ』)
  • 伊藤沙莉 (『榎田貿易堂』『パンとバスの 2 度目のハツコイ』『寝ても覚めても』『blank13』)
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多摩ポン編集部
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